親父、黄色くなる
母親からその一報が入ったのは月曜の夜だった。その前の週に近くの開業医で診てもらい、直ちに近くの病院へ紹介入院した。その病院が選ばれた理由は、駅の階段を踏み外して足首を骨折した妹が先日来入院していたので、親子一緒の方が何かと都合がいいだろうという事だった。おいおい、そんな理由で入院先を決めちゃっていいのか?
思った通り、その病院は整形外科がメインであって肝臓関係のエキスパートはいないようだ。案の定、血液検査やCT検査をやっても原因は不明だという。親父も生牡蠣などは口にしていないし、思い当たる事といえば、高血圧と痛風の薬を服用しているという点だったため、今のところ周りは薬剤性肝障害の疑いが強いと思っている。
それでも事は黄疸を伴う肝障害、確定診断の上、的確な治療が必要との事でさらに国立病院へ転院したのが火曜日。最初の病院と同じような検査を実施したものの、やはり原因は判らない。若い主治医は、原因が判らないうちは治療を開始できないと、今度は肝生検(Biopsy)をやるらしい。この病理検査によって、たぶん肝がんと肝硬変を除外診断したいという主治医の意図が窺える。
除外されてしまえばヤバい疾患は当面否定できる。後は黄疸が引くまでの時間の問題となるだろう。今後、急変さえ無ければ年内にも退院できるかもしれない。長男と一緒に妹とを見舞いがてら親父が駐車場に停めっ放しにしていた車を引き取りに行き、続いて親父を見舞って本人に上記の見解を伝えた。
齢80寸前まで入院などした事のなかった親父だけに、家にいて我儘言っている時とは打って変わって声も動作も実におとなしい。まぁこんな事も、たまには己を見つめ直すめにいいのかもしれない。世の中にはこの歳まで生きられずに亡くなる人も多いのだから。
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さて、ドジな妹の方は幸いにも単純骨折だった。針金で固定するような手術の翌日には早くも歩行リハビリが開始されたようで、幸か不幸か私の担当製品の出る幕は無かった。現在は大事をとって片松葉杖で歩いているが、別に松葉杖を使わなくても歩けるようだ。所詮はケガだから時を置かずに元に戻るだろう。
それでも今年前半の母親の総胆管閉塞と言い、ここに来て病院とは無縁だった実家の連中が相次いで病院のお世話になっているのは因果の巡り会わせというモンか?
そういう私も今朝の追跡検診で肝機能検査値が有無を言わさぬ右肩上がりだという事を思い知らされたばかりだった。先ずはお酒の機会を減らし、機会があっても少量に留め、出来れば1日30分は歩行運動をやって肝機能の改善を図ると主治医に約束されられたのだった。
思えば私も十分にいい歳だ。いつまでも若い時と同じ量を飲んで同じダメージで済むと思っている方がアホですとも主治医は言った。
おっしゃる通り! 年末行事と全国研修ツアーのダブルパンチが襲って来る今年の師走を控え、せいぜい精一杯節制するとしようか。
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