おめでとう&おめでとう!
社会人になってすぐの薬学会、何年か前の研修ツアーの時以来、3度目の熊本行き。その目的は29歳の従弟の(実は二度目の)結婚式だった。前回は沖縄、残波岬にあるリゾートホテルがその舞台だった。それからおよそ4年経って、今度は新婦の実家のあるここ熊本の地に我々一族が再び集まった。
新婦側の親族に比べてこちら側の親族はせいぜい10名程と少ないため、どうしても参列客の人数がアンバランスになる。そこで前回もそうだったが、叔父である新郎の父の友人夫婦が3~4組駆けつけるのだが、これが還暦過ぎのチョイワルOYAJIばかりで、事あるごとに「また」とか「デジャヴ」とか「今度は」とかの禁句は気をつけんとイカンわな、などど大笑いしながらのたまう。ハナからこきおろし満々の姿勢である。
午後2時の挙式から始まった結婚披露宴は、新婦の二度のお色直しやら、JAL系列会社に勤める二人の同僚のパイロットやCAによる馴れ初めドラマなどのVTRが4本、仮面をつけた現役CA達のライフベスト・ダンスというレアな出し物などで延々5時間近く続いた。現役スッチーのこの写真、売れるかな?
「あんなVTRを作れるほどヒマしてるから会社が潰れるんだよ」などとホザいてたチョイワルOYAJI達も、ここまで長い披露宴にはさすがに辟易していた。
ようやくそれが終わると一旦ホテルに戻って着替え、20時半から新婦側主催の親戚固めの食事会。
せっかく熊本城一望のロケーションの「城見櫓」という割烹料理屋で、定番のからし蓮根、一文字(わけぎ)のぐるぐる、熟成チーズのような豆腐の味噌漬け、ダンゴ汁などの郷土料理に魚介刺身、霜降り馬刺し、煮魚、焼き魚、地鶏などの名物フルコースが並んだものの、ロング披露宴の飲み食いでロクに食べられなかったのは残念至極。でも球磨焼酎の爽やかな香りと味わいに杯も話も弾んだ一時だった。
翌日はゆっくり目の朝食後、目の前のデパートを散策。それでも飛行機の時間まで3時間余りあったので、観光タクシーを手配して、阿蘇山経由の空港行きのコースでチェックアウトした。この2日間は天気に恵まれ、東京と同じくらい暑いものの風があるぶんベトベトせずにいくぶん過ごしやすい。
お約束の阿蘇中岳の火口に向かったが、運転手に寄れば、実はここはいつでも観光できるわけじゃないと言う。まずは風向きが問題で、有毒ガスが吹いて来たらすぐに立ち入り禁止になる。それをクリアしても今度は霧が出ると肝心の火口どころか山すら一切見えない事もしばしば。マトモに見えるのは10回行って1、2回程度だと言う。
それがこの日はドンピシャ! 運転手も驚いたたが、やっぱオレはヒキ強いわな。小学生の頃の国語か社会の教科書で見て以来、実物を拝むまでに40年以上も経ってしまったが、阿蘇の火口や草千里などは、意外にも想像していたよりも小規模だった。それでも雨が溜まったせいか火口の青い水の量は普段よりも多いそうだ。
一族、友人が集まる結婚式もいいけれど、このまま4年毎にやってたらオリンピックみたいである。「4年経ったらまた会いましょう」じゃ、まるでブラック・ジョークだな。ぜひともここでピリオドを打って、早目の子作りにいそしんで欲しい。 ・・・でも次もあるなら今度は北海道がいいな、なんてね。
いずれにしてもメデタイ、メデタイ。
・・・・・・・
翌日帰京、夕食後一眠りして午前3時半に起きた。そう、女子サッカー ワールドカップドイツ大会の決勝戦、なでしこvsアメリカ代表の大一番だ。これを観ずして寝てられるモンかっての!
なでしこJAPANはこれまで女子サッカー絶対王者のアメリカに21敗3分と一度も勝っていない。だがそれがどうした! 彼女らは強敵だったドイツ、スウェーデンなどを破ってここまで来たのだ。一発勝負では何が起こるかわからないぞ。
平均身長で10cm以上高いアメリカはロングボールを多用して日本ゴールに攻め込むが、日本も必死のディフェンスをしつつ次第に落ち着きを取り戻し、何とか乗り切って無得点のままハーフタイムを迎えた。
だが後半24分、ラピノーが前線に送ったパスを熊谷のマークを外して抜け出したモーガンが左足! ゴール右隅に決まり、米国がついに先制点を奪ってしまった。さすがFIFAランク1位の王者、ワンチャンスに強い。
後半の失点ゆえ、一瞬「やっぱりダメか」と思ったのは私だけだった。決して諦めない彼女らは35分、右サイドでボールを奪った永里がクロスを入れる。中央で米国DFがクリアしきれずにいたスキを突き、宮間が左足で押し込みGOOOOOAL! ハッキリ言って夢を見ているようだった。
この同点弾で後半終了、試合は延長戦突入となった。
前半終了直前の14分、再三日本を脅かしてきたモーガンがドリブル突破からクロスを入れると、長身FWのワンバックがヘッドで押し込んで勝ち越しゴールを奪ってしまった。これでいよいよ万事休すか?
いやいやいや! 踏まれても咲くなでしこは全然諦めない。
後半12分のドタン場、宮間のクロスに、ニアサイドに飛び込んだ澤が右足アウトサイドで合わせて5得点目のGOOOOOOOOOAL! ここ一番、エースの一撃で二度までも追いついたではないかぁぁぁぁ! 思わず涙が出そうになったぞ~!
最強王者相手にこの凄まじい粘り! ここまででも十分過ぎる偉業と言っていい。ああ、生で観ていて良かったぁ~!
この後に控えるPK戦は、まさに時の運だ。例えPKで敗れても彼女らへの賞賛はいささかも揺るがない。だから力一杯やりきるだけで良い。結果は勝利の女神のご機嫌次第だよ。
ところが、ここで女神は日本のガンバリに微笑んだのだった。
先攻のアメリカは王者のプレッシャーのせいか、GK海堀のファインセーブもあって3連続で外したのだ! このアドバンテージを維持したまま、最後は熊谷が見事に蹴りこみ、3-1でついについに、なでしこJAPANNは悲願の世界一をもぎ取ったのだった。女子ゆえ苦労して来たキャプテン澤は得点王でMVP! モチロンこれも日本人初だ。
努力は報われたね、日本代表おめでとう!
(追記)
なでしこJAPANは、名前に「希」や「穂」の字のついた選手が活躍する場面が目立ったと気がついた。決勝PKを決めたDF熊谷沙「希」を始め、MF川澄奈「穂」美、MF阪口夢「穂」、FW永里優「季(こりゃニアピンだ)」、そしてキャプテンの澤に至っては「穂」と「希」の2つとも持っている。
DF鮫島とMF宮間は「彩」と「あや」でこっちも同じ読みで活躍。いや~、持ってる女性は違うなあ~。
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