選択肢が、ない!

この歳にもなると、朝は結構早く目覚める。今日も目覚めたベッドの上でだけれどもフジTV「新報道2001」を観た。

都知事選に立候補した4人の候補者を集め、東京の危機管理を中心に討論するという企画だ。討論番組は結構だが、いかんせん民放では時間の制限が特にキツいため、決まって最後は消化不良で終わる。それでも現職を含めた有力候補者が一堂に会するのは初めてだろうから、それぞれの主張を興味深く見つめていた。

現職顔負けの露骨な後出しジャンケンを弄したヒガシ。

その語り口はエモーショナル度No1。人の気付かない訴求ポイントを持っていて、熱を帯びた思いも感じさせる。だが、彼は骨を埋めるとまで言った宮崎県知事時代に自民党総裁選に色気を見せ、挙句にわずか一期で辞めての今回の転進である。野心は結構だが、上げ潮と見れば後ろを省みずに乗っかってしまう姿勢に疑問が湧く。

マスコミを使った広告塔の時はそれなりに成果も挙がったが、あくまでそれは平時の場合だ。鳥インフルエンザや口蹄疫などの非常時では決断が遅れたり情に流されたりで、お世辞にも為政者としてリーダーシップを発揮したとは言えない。宮崎よりも遥かに巨大な東京が非常時に陥った時、果たして彼に任せられるだろうか。

経営者のみならず教育者の顔を持つワタミ。

言葉のアタリは柔らかく、政治家に欠如しがちな経営感覚を都政に持ち込み、経済で都政を建て直すという主張は新鮮だ。だが、見えるのは経営者の視点のみで、政治的感覚については未知数だ。居酒屋というごく限られた分野の経営と時に国内外まで波及する都政とは、その規模も難易度もケタ違いである。

経営者というのは独断専行に陥りやすい面もあるし、逆に協調路線を前面に出せば手練手管に長けた議会や役人の言いなりになりかねない。就任しばらくは何も出来ないか、早々と議会と対立するか。そのさじ加減を間違うと、この人の行く末は、あの阿久根市の竹原信一氏か青島幸男氏だろう。

ついに共産党の仮面を脱ぎ捨てたコイケ。

姑息な策を弄する事もなく、いち早く立候補を表明したその心意気やよし。カネや利権にまみれていないクリーンさも好印象だ。だが、いくら無所属だと言い張っても、筋金入りの共産党員という認識は払拭できない。共産党のイメージは、庶民の味方と言いつつ所詮は実現不可能な理想論で権力に反対するだけの政党というものだろう。

かつて美濃部亮吉氏という、マルクス主義者の革新系知事が誕生した東京。その功罪を知る世代も少なくなって来ている今、都民は現職と候補者の中で最も異なる路線を主張するこの人に何を感じるだろうか。有権者は、少なくとも思わぬ方向への政策転換、もしくはお題目だけで何も実現しないというリスクを覚悟した上で選択すべきである。

後継候補のハシゴさえ外した究極の後だし立候補の現職イシハラ。

こんな後出しジャンケンもあったのか。不出馬をにおわせ、自身の後継と認めて立候補させた松沢神奈川県知事をドタン場で引っ込めての立候補。引っ込んだ松沢氏も松沢氏だが、ハシゴを外され今さら神奈川に戻る事もできないから、おおかた副知事指名の密約でも交わしたか。開いた口が塞がらないとはこの事である。

それより何より、この人は作家でありながら使う言葉の無頓着さが聞き捨てならないのだ。最近も東日本大震災を「天罰だ」と言ってみたり、わざわざ福島県に行って「原発推進だ」と言ってみたり。時に威力を発揮する硬派のリーダーシップというイメージを凌駕するような情のなさ。いかなる意図があったにせよ、これは許せない。

新銀行東京の大赤字、五輪招致の杜撰、築地市場移転の強行、スーパー堤防構想の荒唐無稽、おまけにファミリーへの利益誘導疑惑などなど、検証すべき事テンコ盛りなのに、それらは彼の再選によって葬られてしまうだろう。

なのに、討論を聞いていると、他の候補者が都政を批判するたびに「それはもうやってる」「あなたが知らないだけだ」などと言えてしまうのは、まさに現職の強みだ。そこに彼独特のウラ話を被せると妙に説得力を持って来る。結果、やりとりをすればするほど彼がクローズアップされる事になるのである。

現職に不満を持つ有権者はいつになく多い。だが他の候補者の決定力不足も否めない。このまま世論調査の通りに現職が4期目再選するのか、させていいのか? ならは誰を? 正直、私には選択肢が浮かばないのだ。

一週間後の都民の選択は、果てしなく難しく厳しい。





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COMMENT

>PEKOさん
ホント、消去法すらかなわない。 ・・・ん? 消去法なら、いっそドクター?

>inaちゃん
東京を私物化、まさにその通り。でも彼を凌駕するキャラもいないんだわ。

現職。。。

確かに現職は強い。天罰発言にせよ原発推進発言にせよ、石原氏の発言を聞いていると、実は選挙戦ですべて自分に有利なるように発言したように見えてしまいます。しかも地震後の自粛ムードで他の候補者も選挙戦で街宣演説がままならない状況。氏は天災までも味方につけてしまったのでしょうか、そう勘繰ってしまう私です。

困りましたね。でも東京を私物化した氏の再選だけは許せないのですが。。。

現在まさに、ほぼ同じ思考過程にて、知恵熱が出るほど悩み中。

どーすりゃいいんでしょうね……orz

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最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

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実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

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