フレンチ経由イタリアンな日
実はその昼、ウチの部署のグータラK君提案のヘンテコ企画「部長殿とちょっとリッチなランチを食べるお誕生会」の第1回で、私を含めた1月~3月生まれ6人が揃ってフレンチのランチコース(3皿構成でメインはリブロースステーキ)を食し、私だけは続く夜にイタリアンというハードな日だったのである。ま、たまたま日にちが重なっちまったのだから、どうにもしょうがないわな。会場のフレンチビストロ「ダルテミス」も結構人気の店で、ランチコースは2500円だったもののCP感は決して悪くなかった。
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頃合いを見計らって退社し、地下鉄に乗ったら偶然にもそこに息子とカミさんがいた。駅を降りて店に向かったのだが、まず目の前の新宿通りを横断するというルートを失念していて、まるっきり反対側のゾーンを徘徊してしまうというミステーク。ま、間違えた自分のせいもあるし、まだ腹が減ってないしで、ひたすら笑ってごまかすのみ。
店に着いて席に通されるとさっそく、クーポン特典の一つである「シェフのうんちく」タイム。このシェフこそ、BMWメタボの会メンバーでもあるベッラさんだ。ウワサによれば「羊の皮をかぶった狼」ならぬ「シェフの皮をかぶった暴走族」とも。だが彼の料理のウデは新年会で確認済みなので心配無用。グラスビール片手にしばし歓談。
今夜はメニューなどいらない全編おまかせだ。前菜としてキッシュ、ホタルイカのオリーブオイル炒め、珍しいのれそれのオリーブオイル炒めニンニク風味(正式な料理名は知らない)の盛り合わせが登場したところでワインボトルへ。魚介料理でも赤が好きな我々、まずは果実味タップリのライトボディを勧められ、イタリアワインによくある土臭さも無く、その飲みやすさを存分に堪能!
次の皿は、時節柄キャンセルが相次ぐ伊豆の旅館が仕入れを断念した魚介をベッラさんが男気で買った中から、香ばしく焼かれた黒鯛を中央に据え、ベッラさん自信の山梨のほうれん草を取り合わせた一品。これがまたワインをターボ全開で進ませる。 ・・・あれれ、いつの間にか息子の前にもワイングラスが。
今夜のメインは、当分手に入らないだろうという岩手県のブランドポークのステーキ。それにローストした大根とズッキーニなどが添えられており、それぞれが出色で絶妙のハーモニーを醸す。ここまで来ると、この店の料理は一種の魔物と呼んでもいいかもしれない。またまたワインが進み、いつもなら二人で1本あれば十分なのにあっという間に2本目突入。今度はややどっしり感が味わえるロッソだった。
さらにパスタが二皿。一皿目はアンチョビソース、二皿目はラグーソースで息子の分は大盛りにしてくれた。これで腹の方は全員グウの音も出ないほど満たされ、昼にたっぷりフレンチを食べたはずの私も、そんな事は全く関係ナシに完食していた。でも、まだこれで終わらない。
トドメはドルチェの5種盛り! カミさんのプレートに描かれたベッラさんお手製のバースデー・メッセージが嬉しい。エスプレッソの香ばしく苦い味で口の中をリフレッシュし、今度こそフィニッシュ! ベッラさんとのBMW談義も一段落したところでごちそうさま~! 3人でビールやワインボトル2本込みで2万3千円、これまたCP感抜群だった。そこそこ経済も回せたし。
「せめて2ヶ月にいっぺんは皆で来たいわね」とは財務省のカミさん。息子と私はうなづくばかり。
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無事に定年を迎え、本日で最終出社となったYさんが我々のフロアに挨拶に来た。
思い起こせばおよそ10年前、私が埼玉の営業管理職から学術管理職で名古屋へ転勤になった頃、同じ学術管理職で札幌支店にいたYさんとお付き合いが始まった。Yさんは私の大学の先輩でもあり、オヤジギャグが得意な文字通りユカイなOYAJIだ。幸い、経済的にゆとりがあるようで、人生の第2ステージはまだ決めていないらしい。
それでも、まだまだ全然現役を張れるのにも関わらず、会社規定だからと退かなければならない定年制度って、やっぱり理解し難いわな。せめて65歳定年制くらいは一日でも早く導入すべきだ。そうしないと有能なベテランのマンパワーがいたずらに減っていくだけである。だからと言って、代わりに若い人材がそうカンタンに育っていくとも思えない。
Y先輩、これからの人生も「Flore Pharmacia!」でいきましょう! いつまでもお元気で!
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