デジイチ詣での果てに
先日と打って変わって小春日和のように暖かい日のせいか、お昼近くになると咳が出なくなった。せっかくの休みなので、時間の有効活用とばかりに家電店に出向く。そう、デジイチ詣でだ。
ここまで掲示板などwebsiteや書籍などの文字情報をむさぼって来たせいか、写真の世界なんて何も知らなかったOYAJIが一通りのカメラ用語(?)の意味がわかるようにまでなって来た。これ以上はカメラを購入して撮影する段になってから進んで行けば良い領域なので、今日は候補機種のフィーリング確認をテーマにした訪問である。
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現在までに絞りに絞った候補は、Canon EOS 60D(60D)とPanasonic LUMIX GH2(GH2)の2機種。
両機の一番の違いは60Dが一般的なデジイチ、GH2がミラーレスデジイチで、その機構の違いから大きさも重さも異なっている。ボディ本体重量で60Dが675gに対し、GH2は何と392gと圧倒的に軽い。これにキットのズームレンズを装着すると、ミラーレス用レンズがより軽量ゆえ両機の重量差はさらに開く。これが機動性の差となる。
いくら良いカメラでも、重くて持ち歩きたくないとなったら本末転倒、宝の持ち腐れになる。ここは私が最初から拘っていたポイントだった。
家電店(Y東京本店)はさすがに平日の昼下がりはガラガラ、触りたい放題だ。60DのWレンズセット用レンズをとっかえひっかえ装着してはその重さと取り回しを確認。同様にGH2も。予想通りGH2は呆れるほど軽く、ボディサイズも小さめだが、ホールド感は特に気にならない。一方の60Dは重量感を感じるものの、しっかりしたカメラ固定にはこれくらいでちょうど良いと思えるレベル。
最初はファインダー撮影。GH2のAFはファインダー(EVF)だろうが液晶ライブビュー(104万画素)だろうが非常に速い。だがEVFは明るいものの、蛍光灯がチラつくので室内ではちょっと見にくい。これは意外な発見だった。それに引き換え、ペンタプリズムの60Dはあくまで自然で明るい。AFももちろん高速で、ファインダー撮影なら文句なくこっちだな。
ところが! 液晶ライブビュー撮影に問題大アリだった。液晶の画像自体は92万画素でも遜色ないと言えるレベルだ。だがライブビュー撮影時のAFが、何と2秒から3秒近くかかるのである! それはテレ側だろうがワイド側だろうが変わりなく、GH2に比べて笑っちゃうくらい激遅なのだ。いくらバリアングル液晶の有用性が高くても、実用的にどうなのよと疑ってしまう。
次にシャッターフィール。GH2はボディも軽いがシャッターも実に軽い。おまけにタッチパネルでもシャッターを切れる。だがまるでコンデジ並みのお手軽な音といい、何だか気持ちが入りにくい感じ。60Dはそれより重厚感があり、いかにも撮りに行ってるぞという感じ。今日は両機で100回くらいシャッターを押しまくったが、フィーリングの違いが埋まる事はなかった。
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ミラーレスデジイチは今まさに進化の真っ只中と見た。
その最先端を行くGH2は、ミラーレス機ゆえの機動性のアドバンテージに加え、タッチパネルシステムなどの新技術と共にマイクロフォーサーズ時代を予感させる胎動を感じた。近い将来、もしかしたら従来のデジイチ機に取って代わるイノベーションが到来するかもしれない。ただしそれは、これらの先進テクノロジーが十分に成熟したらという話である。今の段階はようやく一人歩きしたというところかな。
60Dはいかにもメカを操っているというぞという満足感が持てる。男のホビーとしての雰囲気も十分だ。イメージキャラの渡辺謙じゃないが「趣味なら、本気で」のフレーズも、このカメラなら私のような入門者でも少し理解できる気もする。
で、「今のところ」と断った上での結論。
GH2に代表されるミラーレスデジイチの完成型というものをぜひ見たいと思う。圧倒的な機動性と高速コントラストAFは大きな魅力に違いない。あとはEVFの精度、画像エンジンとシャッター・タイムラグの向上か。その時が来たら、それこそボディもレンズも丸ごと乗り換えてもいいとさえ思っている。デジタル時代の一眼レフは、必ずしも重厚さだけが絶対条件ではないはずだ。
その日が来るまでは60Dで写真の世界に浸かっていようかな、と。
・・・でもレンズって呆れちゃうほど高いな。
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