卒業はしたけれど
今回のホテルはカミさんオススメの「湯の川プリンスホテル 渚亭」で、最後の函館だからと露天風呂付きの部屋をリザーブした。オフシーズンなので半額近い料金で、夕食、朝食ともブッフェスタイルの食事付きだった。
今年の函館は例年の2倍くらいの降雪で、街中もしっかり銀世界。ベランダの露天風呂のすぐ前の海は、波打ち際まで砂浜のすべてが雪に覆われていた。これはなかなかお目にかかれない絶景だ。天気が良ければ遥か下北半島大間崎、津軽半島などが見えるそうだが、こちら側は晴れでもあいにくあちら側は雪雲が重く掛っていて見えなかった。
それでも42℃くらいのちょうどいい塩梅の源泉掛け流しの露天風呂に浸かっていると、外の寒さと相俟って、これがホントの頭寒足熱! 気持ちイイったらありゃしない。このままいつまでもこの雪景色の中にいたいと思った。
だが、この夜は卒業式前夜祭と銘打って関東組父兄を中心とした飲み会が開催されるためボヤボヤしていられない。せっかくの夕食ブッフェなので、軽く味わってはおこうと6時前にレストランへ降りて行った。まあ、ホテルのブッフェと言っても大した事はない(少なくとも6年前のホテルの夕食ブッフェは記憶に残っていない程度)とは思っていたが、それはものの見事に裏切られたのだった。
刺身、カニ、海鮮焼き物などの和食メニューはもちろん、ステーキあり天ぷらあり中華あり、なんと数十種類の料理のオンパレードではないか! しかもそのどれもが高いレベル。これなら食事はおろかシメのデザートも、いやいや飲み会だって全てここで完結出来てしまうじゃないの! これまで年1~2回は函館に来ていたカミさん、いつもこんないい思いをしていたと思うと腹立たしいわ。
ちょっと味見のつもりが、ついつい腹に入れ過ぎ、慌てて前夜祭会場の居酒屋へ移動。すでに総勢20名超の父兄が集まって、まさに大宴会の様相。学校創立50周年記念の函館ワインもあったが皆さんにあんまり受けず、逆に秋田支部からの高清水純米大吟醸の美味さには大絶賛。皆に一度オチョコで振る舞われた後、残りは我々のテーブルでこっそり平らげてしまった。これだけで一同(具体的にはWさん、Hさんと奥様そして私)は大満足!
結局11時過ぎまでワイワイと盛り上がり、寒さもあって今回はカラオケへはなだれ込まずにそれぞれホテルへ帰還。私もカミさんに引きずられてドナドナ状態でホテルに戻った。
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早朝、そそくさと露天風呂に浸かってリフレッシュ。これまた充実した朝食ブッフェの後、夕食で食べて気に入ったホテルオリジナルの細切りのイカの沖漬にシシャモの卵を和えた珍味を購入し、チェックアウトを終えて学校に向かった。
卒業式の会場は6年前の中学入学式と同じ体育館。前方に卒業生の席、中程に在校生の席、後方に父兄の席となっていて、父兄席が埋まってくる頃、まず在校生が入って来た。この学校には制服はないが、それでも大多数はジャケット姿だった。だがパーカーやジーパンという生徒も一部いた。まあ、勝手に式に駆り出されて面白くもない気持ちも分かるけれど、ここはセレモニーの場なのだから少しは考えても良かろうモノを。
やがて合奏部の演奏する「威風堂々」の曲に乗って卒業生入場。だが私にはこれがどこかの製薬メーカーのイメージCMにダブって見えてしまう。彼らはほぼ全員ダークスーツにネクタイという出で立ちだったが、中に2人、羽織袴の生徒がいたのだった。たとえキリスト教の学校であれ、日本男子としての正装をチョイスした心意気に感心した。思わず拍手の手にも力がこもる。願わくば、再び着るであろう成人式では暴れないで欲しい。
卒業証書授与。担任から名前を呼ばれ、大きな声で返事をする姿は実に清々しいものだが、残念ながらそれは少数派、大抵の生徒は聞こえるか聞こえないかのような返事だった。果たして息子の返事も我々の耳に届かなかった。あ~、少しは期待してしまった私がバカだったわ。
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式の後に学生食堂で開催された簡単な立食の祝賀会終了後、息子の仲良しのH君一家とパスタ&ピザ食べ放題の店へ。そこで息子とすでに立派な体格のH君、そして彼の弟の3人が食べること食べること! まさにマシーンの如く、直径30cmはあるピザを彼らは一人3枚以上は食べただろうか。それにパスタとデザートとドリンクと来れば、その食欲の凄まじさも分かろうというもの。
帰りの便は雪で40分以上遅れたものの、無事に羽田空港までたどり着いた。前日から停めていた車に乗って夜の首都高をひた走った。ここでもアーシングの効果か、加速に伴ってエンジンがうなりを上げて吠える音が迫力を増していた。これでますます「駆け抜ける歓び」まっしぐらだわ。
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ともあれ、これであっという間の中高6年が過ぎた。
一口に6年と言っても、生まれたばかりの赤ちゃんが小学校へ入学するまでの時間であり、小学校へ入学した子供が卒業するまでの時間であり、中学校に入学した子供が大学受験するまでの時間でもある。この6年という時間を三たび潜り抜けて今日が迎えられたと思えば、その感慨もひとしおかもしれない。
だが彼らの長い人生はまだまだ始まったばかりである。今日という日は確かにマイルストーンではあるけれど、充実した人生のためにもっともっと大きく広くチャレンジを続けてもらいたい。だから今はひたすら前へ! である。
いつしか自らの人生を静かに振り返る時が来たら、きっとその答えが見えて来るだろうから。
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