今のうちにプチリッチの晩餐
来年の事を言うと鬼が嗤うが、今年以上に月日が早く流れていきそうな予感がしている。いや、決して歳のせいだというワケじゃなく。
・・・・・・・
今週末に息子が冬休みで帰って来るというので、その前にプチリッチな晩メシを食っておこうと、カミさんと店を探した。ジャンルは、最近よく食べてるイタリアン以外で、息子に食わせるにゃチトもったいないランクの店という事で、天ぷら専門店にした。
私もカミさんも天ぷらは大好物で、いつもならコストパフォーマンスの点で「つな八」あたりの店で十分満足している。ちょっといいコースでそこそこ飲んでも@5000円程度だ。さりとて@2万円レベルの銀座や赤坂の超高級店にはハナから足を向けようとも思わない。とても自腹で食すべき代物じゃないからである。
リーズナブルな店よりも上で、できればこじんまりとした落ち着ける専門店。で、ネットで選んだ店が曙橋にある「てんぷら 荘司」だった。アテにはならないネットの口コミ評価でもまずまずの評価、ご主人は日本料理を修業した方で、天ぷらコースの合間に日本料理も供されるというところが面白いと思い、さっそく7000円コースを予約した。
・・・・・・・
その店は老舗の天ぷら屋という風情ではなく、カウンター中心のモダンな設えの店だった。
店主は思ったよりも若く、ネットによれば早稲田の割烹料理店で修業した後に独立したそうだ。夫婦でやってるこじんまりとした専門店というシチュエーションはこちらのニーズにもバッチリ、いやが応にも期待が膨らむってなモンである。
天ぷらは活き車海老から始まった。ネットでは海老の頭は出ないと言っていたが、この日はちゃんと出た。続いて肉厚のドンコ。椎茸が苦手な私でも食べられたくらい、椎茸独特のニオイも無くジューシーな旨味だけが味わえた。その後に出されたシメ鯖の燻製がこれまた絶品。シメ鯖からではなく、まるで生鯖からスモークしたかのような新鮮な味わいだった。これじゃ黙ってても酒が進むわな。
この後、天ぷらは熱々の白子、秋田県産の里芋、平貝、間にホウボウと蕪の炊き合わせを挟んで登場したのは、何と身だけで10cmオーバーのメゴチだ。これは東京湾の釣り船でさんざんメゴチを釣った私でもお目にかかった事のない大きさだった。その身の何ともふくよかな事! やっぱり天ぷらの白身はキスよりも断然メゴチだと思っている私は正解だった。
そして桜海老のかき揚げと続き、シメは金目鯛の炊き込みご飯、デザートと続いた。男の私でも、これなら満足しないワケがない。おかげで冷酒とぬる燗を五合近く飲んでしまった。
その後、女将に勧められるままに正月用のおせち料理と言いながらもその実ほとんど酒の肴という、何とも嬉しいおせち重箱の予約もしてしまい、夫婦とも大満足の晩餐だった。これなら会社の飲み友達を連れて来ても十二分にイケる店だと思えた。大人の雰囲気の天ぷら最高!
ま、懸命に探せばコストパフォーマンスに優れた良い店がまだまだ発掘できるのも大都会のメリットなのかもしれない。
- 関連記事
-
- フレンチ経由イタリアンな日 (2011/03/31)
- Save the 三陸の会 (2011/03/24)
- 今のうちにプチリッチの晩餐 (2010/12/15)
- とりあえず元気です (2010/09/15)
- しこたま3連チャン (2010/07/24)