これは売国行為ではないのか?

またまた我が目と我が耳を疑った。

一昨日のエントリで取り上げたばかりの尖閣諸島における不法行為で逮捕・送検した中国漁船船長を、那覇地検が処分保留で釈放する事を決め、中国チャーター機で帰国させたのである。延長した勾留期限まで5日残しており、法の手続きを無視した事実上の超法規的措置である。

これについて那覇地検は、釈放理由を「我が国の国民への影響や今後の日中関係を考慮した」とし、船長の行為を「追跡を免れるためにとっさに取った行動で、計画性は認められない」と説明した。

おいおいおいおい!

いつから検察は「外交上の配慮」を公言するようになったんだ? 検察とは、法と証拠に基づいて「厳正に対応」する組織じゃなかったのか? これが真実とは到底思えないが、もしそうだとしたなら、捜査機関である検察が外交に口を出す道理はいったい何だってんだ!

それとも、郵便料金不正事件に端を発した裁判において村田厚子前局長が無罪判決を受けた一方で、大阪地検主任検事の前田恒彦容疑者のデータ改ざんによる証拠隠滅事件発生という弱みを抱えて、事件への世間の耳目を逸らさせるためにも政府の意向に従ったとでも言うのか?

今度は政治家の側だ。

尖閣諸島の領有権を主張し、日本の法律適用を認めない中国政府が、船長の逮捕・送検に激烈な対応をする事は明らかだっただろう。しかし、日本政府は敢えて船長送検の判断をした。それは中国との摩擦を覚悟し、尖閣諸島は日本の領土である事を内外に主張する決断に他ならなかった。当然の事だが、その意気やよし!

ところが、中国がさまざまな圧力を掛けて来るや、仙谷官房長官は「尖閣とガス田問題は次元が違う」だの「ハイレベルで協議をしたい」だのと弱音を吐き始める。中国は「それ見た事か。あと一押しだ」と勢い付く。4人の日本人が拘留されるに至って遂に腰が砕けた。

「国内法に則って厳正に対処する」と言っていた菅首相、「ビデオ撮影もしており、どちらが体当たりしてきたかは一目瞭然だ」と言っていた前原外相はどうした? 決定は、日米外相会談でクリントン国務長官が尖閣諸島は安保条約の適用範囲内と明言し、日米首脳会談でオバマ大統領と日米同盟の重要性を確認した直後だった。タイミングが早過ぎるだろ!

官房長官が「検察が捜査を遂げた結果、処分保留という現在の判断で身柄を釈放するという報告を受けたので、それを了とした」と、いかに「那覇地検の判断」とスットボケようとも、中国側の圧力にあっさり屈したのは国民の目に明らかじゃないか! 

初めこそ相手を見くびったように強気にケンカを売ったと思ったら、相手にスゴまれた途端に怖気づく。残念ながらそれが日本政府の姿である。最後は折れてやるにしても、せめて二枚腰くらい見せろ! 

結局、民主党政権には外交・安保・危機管理が分からない政治家だらけだったという事を露呈したに過ぎない。特に政府トップである首相と官房長官が外交・安保政策の門外漢・素人であった事がアキレス腱となったと言わざるを得ない。

これにはさすがに与党・民主党からも失望や疑問の声が相次いだようだ。

報道によれば、松原仁、金子洋一ら保守系有志議員5人は「我が国の法秩序を蹂躙するもので、容認できない」と抗議し、釈放の撤回を求める緊急声明を出したと伝えているが、もはや手遅れだ。看過できないのは、党内のリベラル系議員から出た「中国も怒っているし、やむを得ない決定だ」という擁護の声だ。信じられない売国発言で、いったい誰が言ったのか?

いずれにせよ、結局は腰砕けに終わった事で、中国側は「中国外交の勝利」と宣伝し、これまでの日本への対抗措置を解除する可能性はあるが、結果的に日本の主権と国益が大きく貶められたのは揺るぎない事実である。これはちょっとやそっとでは取り返しがつかないだろう。

事実、海上保安庁によれば、今でも尖閣諸島海域には1日平均270隻もの中国漁船が現れ、その1/4以上が日本領海内で違法操業中だという。逮捕されても刑事処分を受ける恐れを感じなくなった中国は、より一層の大胆な不法操業や領海侵犯航行を繰り返し、海保の退去勧告や停船命令を侮る事になるに違いない。

さっそく、中国外務省は「中国の領土と主権、中国国民の人権を著しく侵犯した事に対し、強烈な抗議を表明する」などとする声明を発表し、日本側に謝罪と賠償を求めたとの速報が入った。もちろん、実際に賠償請求をするかどうかが中国の狙いではない。世界に向かってそう発言する事で領土問題に主導権を持とうとしているのである。

第一、日本こそ謝罪と賠償を求めるべきだろが! 先を越されてどうするんだ!

外国との対立で激しい攻撃を行ない、恐怖を与えるまで報復措置を口にするのは中国の常套手段だ。弱みを見せれば、ますます強気になる。中国とはそんな国なのだ。今朝のTV番組で竹中平蔵氏が珍しくマトモな事を言っていた。

「検察による取り調べを期限まで行なった後に起訴処分を決定する。しかしながら本人の健康問題を考慮し起訴猶予として国外退去処分にする。それが高度な政治判断であり、外交で取り得るべき常識的な手段だ」

領海侵犯による不法行為と断じた上で人道的配慮で帰国させるというのであれば、最低限、中国のメンツも立ち、日本の国益も損なわれない。その上で、二度と領海侵犯をさせない約束を要求するのである。国際世論は日本の味方なのだから。この国はそれすらもできないヘタレ国家なのだろうか。

この決着により、中国のみならず海外諸国は「日本は圧力に屈する国」であり、「日本は弱い国」であるというレッテルを張るだろう。言うまでもなく、どこの国にしても国家主権や領土問題は国の存亡に関わる最大の危機である。であるから「さすが日本は懐が深い」などとは、間違っても思わない。思うとしたら「平気で自らを捨てる愚かな国」だろう。

ここに日本国の威信も日本国民の誇りも地に落ちたのである。






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これで竹島不法占拠の韓国はほくそ笑み、中国に南沙諸島やミスチーフ礁を不法占拠されているベトナムやフィリピンは日本を見損ないましたな。

国益損害果てしなし…。

http://himiko206.exblog.jp/

10年後には、日本全土は中国の領土。ありそうで怖いわよ。
民主に任せたらアブナイ、って言われてた通りのシナリオで、あまりの馬鹿馬鹿しさに怒りを通り越して笑えてくる。

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最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

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実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

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