腰砕け外交は国益にならず!

我が目と我が耳を疑った。

国連総会出席のためにニューヨークを訪れている温家宝首相は、尖閣諸島付近での中国漁船と日本巡視船の衝突事件に関し「私はここで、日本側がただちに無条件で船長を解放する事を強く求める。日本が引き続き独断専行を続けるならば中国はさらなる行動を取り、それによって生じる全ての結果は全て日本側が負う」と、日本に対して強く警告したのである。

洪水や地震などの災害現場にいち早く駆けつけ激励している温家宝首相の姿から、私は彼を共産党最高幹部の中でも穏健派だというイメージを持っていた。その彼が、これまで中国のニュース番組などで報じられた政府の強硬発言と同じセリフを自ら吐こうとは! 

中国当局が、日中青年交流を延期したり、開催中だった日本の物産展を途中で打ち切ったり、SMAP公演を延期させたり、日中閣僚間の交流も一時中止するなどの圧力をかけても、最後にはこの人が仲裁役を買って出るだろうと期待していたのだが、それは見事に裏切られた。

これでは石原都知事じゃないが、ヤクザの脅しそのものじゃないか!

日本政府は、尖閣諸島の領有状況を日清戦争中の1885年から1895年まで調査し、同時に世界情勢を考慮しつつ、いずれの国にも属していない事を慎重に確認した上で1895年1月、閣議決定して沖縄県石垣市に編入した。国際的にも日本の領土と認められ、日本人の入植も行われた。島は開拓者の子孫が所有する民有地であり、米国の管理下にあった時も2007年現在も日本政府が貸借契約を結んでいる。(Wikipedia)

したがって尖閣諸島の領有権に関する問題は存在しない。

ところが一転、1971年に台湾、中国が相次いで領有権を主張し始めたのである。その根拠は、尖閣諸島が中国側の大陸棚に接続しているとの主張に加え、古文書に尖閣諸島を目印として航海に役立てていたという記述が見られる事で、最も古くから同諸島の存在を認識していたという解釈による。ただし、1970年以前に用いていた地図や公文書などによれば、両国とも日本領であると認識していたようで、米国の施政時代にも抗議した事実はないのだ。

それでも中国側が強硬姿勢を続ける背景には、領有権の主張を含めた東シナ海での利権の確保がある。日本とのガス田共同開発合意に対する反発や経済格差に起因する世論のガス抜きをして指導部の支持基盤を固めたいという意向もあるだろう。国民の不満を反日に向けさせる常套手段とも取れる。

事件は日本の領海内で中国漁船が不法操業し、巡視船に体当たりして逃亡を企てたというものだ。日本当局は国内法に基づいて公務執行妨害容疑で船長を取り調べ「粛々と法手続きを進める」司法手続き中であり、これは至極当然の処置である。それに中国が圧力を加えるのは内政干渉以外の何物でもないだろが! 

また、一部では活動家による確信犯、スパイ工作の一環ではないかという疑惑も持ち上がっているというが、そもそも本当の漁船ならわざわざこんな危険地域に単船で出張ってまで操業するだろうか? もしも逆のケースだったら、中国は即時無条件釈放するのか? それなら領海侵犯なんてやりたい放題だろが!

ここへ来て船長が、在日大使館や総領事館から派遣された職員と面会後、それまでの否認供述に加え「衝突現場は中国の領海」と述べ、日本の法令が適用されないと主張するようになったという。衝突の際に撮影されたVTR映像については「捏造だ」などと主張しているそうだ。

自ら一線を踏み越えてトラブルを起こしておきながら身勝手な主張を展開し、相手を、特にスネにキズ持つ日本をまるで値踏みするかのような高圧的なやり方に、くれぐれも日本政府は決して腰を引かぬよう願いたい。

危機管理は、内閣の要であり事実上総理の次にパワーを持つ官房長官が陣頭指揮で担当する。

その仙谷官房長官は「漁船の違法操業との関係でガス田協議を中止すると言われても困る。私の予測では、船長以外の14人と船がお帰りになれば、また違った状況が開けて来る」などと発言した。日本としては「穏便にやりたい。船長以外と船は返すので、これで収めて欲しい」と懇願したに等しいのである。何をかいわんやだ!

安易な政治的妥協を図ろうもんなら、中国は単に日本を試すという事以上に日本に対する譲歩を引き出す格好のネタにされてしまうだろう。何をやっても所詮は何もできない腰抜け国家だと、未来永劫とことんナメられる事になるのである。


(追記)
もしも中国のメンツを潰さずに、かつ中国国内の反日運動を鎮静化させる外交的方法があるとすれば、VTRを公開して、あくまでも領海侵犯による不法行為である事を強調した上で船長の取り調べをきちんとやり、敢えて起訴猶予のまま国外退去させるなりして身柄を中国側に引き渡す。それによって中国側に船長奪還という「果実」を与え、こちらは外交上の「貸し」を作るというのはどうだろうか?

もちろんこれは腰砕けなどではなく、高度な外交戦略に基づく状況判断を前提にしての話だが。


(追々記)
レアアースの輸出禁止措置に続き、一夜明けた今朝、フジタの社員4名が中国側に拘束され取り調べを受けているとの速報が入った。そのうちの1人から「助けて」というメールが入ったという。こういうエゲツない圧力行為がエスカレートすると話し合いのテーブルはますます遠のき、それ以上の危機がもたらされる可能性すら生じるだろう。ここは両国政府の思案のしどころか。





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COMMENT

中国って、内政に関しては情報を出さない、認めないってスタンスだよね。その点では北朝鮮と同じ。
やるとすれば、不法滞在の中国人を徹底的に取り締まって強制送還しまくるってのはいいかも。腐るほどいるから。

いつまでも、中国に言いたい放題にさせておくのも癪にさわる。
中国への牽制として、日本も中国のアキレス腱、チベットや内モンゴル等の少数民族問題を詳らかにし、徹底批判するような対応をするのも手段の一つだと思うが…

はじめまして>左巻き菅さん
日本政府の今後の対応が重要ですね。

敵国中国

一党独裁の共産主義国・中国にとって日本は敵国であることが、改めて明確になってきた。
日本の領海で魚を取り、かつ日本の船を破損させた漁船船長を投獄するのは当然である。
尖閣諸島は日本の領土であり、かつて日本の鰹節工場があった。
石油・ガス資源が確認されてから、中国は自国の領土であると主張しはじめた。
蓮舫は、民主党の意向に沿って事業仕分けで防衛費を削り日本を弱体化することを企ててきた。

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最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

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もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

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