闘病相憐れむ
昨夜は3回目の歯医者だった。前回は、抜いた親知らずに消毒薬を塗布してわずか1分で終了とあっけなかったのだが、今回から歯石の除去と残った虫歯の治療へという長い道のりが始まる。歯石除去を受けた同僚などの話も聞いてはいたが、経験するのは生まれて初めてだった。
私の大嫌いな歯医者の音、あの「チュイ~ン!」という悪魔の音と共に、下の歯の表裏に衝撃が走った。目はタオルを被せられているので見えないが、決して痛いというわけじゃないのに全身が硬直し、手や背中に冷や汗を感じまくる。こんなビビリ全開の患者なんだから途中で休憩くらい挟んでくれても良さそうなモンなのに、一切関知される事もなくブッ通しで削りまくられたのだった。この女医さん、絶対ドSだわ。
それもこれも自らの不養生の報いと言い聞かせつつ耐えるのみ。10分だろうか15分だろうか、この時間の何と長い事だったか、ホント死ぬかと思ったわ。おかげで下の歯が裏も表も見事にキレイになった。「次回は上の歯をキレイにしましょうね」と言われれば「ハイ」としか答えるしかなかった。歯科の患者って、こうして長く引っ張られて行くんだな。
これで五十肩に加えて虫歯治療との闘いも本格的に始まった。
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出社してメールチェックをしていると、「千羽鶴作成のお願い」と題された不可思議なメールが届いていた。
読んでビックリ! かつて営業スキルアセスメントの部署に在籍していた同僚Kが、事もあろうに「骨髄異形成症候群(MDS)」を発症し、現在闘病中だと言うではないか!
彼がうちの部署にいた頃はよく飲みにも行ったし、またこのブログの社内読者の一人でもある。その後、現場に戻って営業所のマネジャーで頑張っていたのだが、そういえばこのところ彼の姿を見なければ話も聞こえて来なかったと気がついた。今日までそれを知らなかった事に己の情報収集力の無さを恥じた次第である。
MDSとは、簡単に言えば「造血細胞のがん」である。赤血球、白血球、血小板の素となる細胞(造血幹細胞)に異常を来たす疾患で、急性骨髄性白血病へ移行する場合もあるという。根本的な治療法は造血幹細胞移植しかなく、それには白血球型(HLA)の一致するドナーが必要となるので決して簡単な事ではない。
彼の場合は数年前に血液検査値の異常を指摘され、経過観察中だったそうだが、ついに速やかな治療を勧められるまでになった。幸いな事に家族にHLA適合者がいて、先週移植手術を行なったそうだ。その後も化学療法や放射線療法などを受けているようで、それはそれで大変な副作用に悩まされる辛い日々だという。
彼の元気な笑顔が再び見られる事を願いつつ、わずか7.5cm四方の小さな折り紙で、小学生時分以来まるっきり忘れてしまった鶴を必死に折っている。
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