問題意識と当事者意識

普天間飛行場の県外・国外への移設を求める沖縄県民大会に9万人が参加したという。

大会で仲井真知事は「沖縄の基地問題は沖縄だけの問題ではありません」と訴えた。言うまでもなく日米同盟による日本の安全保障の受益者は全国民である。現在、国内の米軍基地は三沢、横須賀、岩国、佐世保など各地に散在するが、沖縄には実に75%が集中している。

沖縄県民大会に先立って、徳之島では18日に3月以来3度目となる基地移設に反対する大規模集会が徳之島、天城、伊仙町と住民団体が主催して開かれた。人口2万6千人の島に島内や奄美群島などから約1万5千人が参加したという。島民らは「長寿、子宝の島に米軍基地はいらない」などと強く反発した。

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これらのニュースを見ていて感じたのは、この地域から遠く離れた場所に住んでいる我々は、果たしてこの問題に当事者意識というものを持っているだろうか、という思いだった。

正直に言えば、問題意識はあるが当事者意識は極めて低い。心情的には理解できても、他人事の域を出られないでいる。

飛行機やヘリが超低空を横切り、大事故の脅威に加え、耳をつんざく爆音と共に離発着を何度も繰り返す日常というものが俄かに想像できない。事実、これまで那覇、糸満、読谷、北谷、宜野湾、恩納、名護、本部などを訪れたが、行った地域のせいか時間帯のせいか、この爆音の経験がほとんど無い。2月の学会会場だった宜野湾でも同じだった。

それはともかくとして、ではそんな日常が自分の住んでいる所に来るとしたら…。徳之島同様、やはり反対の立場に回るだろう。少なくとも米軍による安全保障の利益を享受している国民の一人として「きちんと考える」事はしても、「それを受け入れる」事は別問題というのが、残念ながら本音である。これではこれまで同様、多大な負担を沖縄に押しつけたままという形は変わらないというのに。

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沖縄を中心とする地域は、昔から反戦平和主義と言えば聞こえは良いが、現実には共産党系左翼教育が徹底されているという。ニュース映像には必ずと言っていいほど、女子学生がヘタな役者顔負けの抑揚の効いた声で反対宣言を叫ぶ姿が流される。彼女らが特別の教育やトレーニングを受けているかどうかは別にしても、何とも言えない違和感を感じるのである。それは市民代表として登場する、いわゆる「プロ市民」も同様だ。

また、普天間飛行場が占める土地のうち、およそ9割は私有地だそうだ。このため、年間60億円を超える賃借料が米軍から自治体を通じて地主に支払われているという。仮に同じ広さの地主が600人いるとすれば、基地がある限り年収1千万円以上が保障され続けるのだ。地主の中には住まいを県外に移している人もいるという。

基地に勤務している人、基地と取引きをしている人、そして米兵相手に商売をしている人などにとっては、基地の存在すなわち生活の生命線そのものだ。基地を中心とした経済は確立されているのである。危険と知りつつも基地の周りに住んでいる人だって、諸般の事情はあれ、究極的には個人の選択だったのじゃないだろうか。

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そんな状況の中、5月末までに米国と国内の合意に基づく案で決着させると断言している鳩山首相。誰が見ても言葉通りの決着など不可能だと思っているのだが、それを指摘されれば腹案があると言うが明かさず、でもすぐにそれは徳之島案だとすっぱ抜かれる。決着の定義についても政権内部から、国民の合意より先の米軍との合意までだの、そもそも最終移設は2014年だのと緩い解釈ばかりが出始めている。

そんなヘタレ発言を繰り返すくらいなら、「米軍基地は削減したいというのが日本国民の声だ。普天間は移設でなく撤退を検討してもらいたい。今後の安全保障のために自主防衛力増強の用意もある」とでも言ってみろ!

世論はどう見ているか。産経新聞とFNNの世論調査で鳩山内閣の支持率は22.2%に下落したが、首相の指導力への評価については「評価しない」との回答が90%と驚くべき結果だったという。また「首相の言動」についても「評価しない」が80%を超えたという。移設問題の5月末決着を困難視する回答も70~90%に上ったという。

この結果は、もともと民主党に好意的でないメディアである産経新聞の調査と割り引いたとしても悲惨な結果と言わざるを得ないだろう。おそらく他のメディアによる調査でも大きな差は出ないと思われる。

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基地問題以外でも外交はどうにもギクシャクし、世界からの評価も低下している。一方で、財政危機も含めた国内問題も山積み。先日から始まった事業仕訳け第二弾も大ナタをふるい切れていない。天下り役員の給料は一律半額、退職金ナシ。縮減とされた独法の予算は一律20%カット、民間で代用できる事業や重複する事業は即時廃止。これくらいの事がどうしてできないのか!

今の政府には、首相に代表されるように決断力と実行力が見えないのである。マニフェストに必要以上に拘ってあれもこれもと中途半端に手を付けるより、取捨選択こそ求められるのではないだろうか。子供手当の満額支給や高速料金無料化なんて後回しでいいじゃないか。そこは誰も反対しないだろ。

前回のエントリじゃないが、今こそ「公」の旗の下に「私」を捨てた有能な人材が結集できないものか。






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Chaie<チャイ>

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最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

某企業のプロフェッショナルな研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、ステージを替えて今後は頼れる薬局のOYAJIを目指したいと思います。

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