変貌を遂げたチャンピオン
疑惑の8月2日から4ヶ月半、ランダエタのリターンマッチともなる亀田興毅の初防衛戦。和田アキコの君が代独唱や亀田のサンタ姿でソリに乗っての入場シーンは「またTBSの過剰演出か」とも思わせたが、相手もセコンド陣とお揃いの豹柄スーツで登場したので、これはお互い様か。
前回と変わらずフットワークを抑え、右ジャブからカウンター狙いで打ち気満々のランダエタ。一方、前回までの力任せの猪突猛進スタイルが鳴りを潜め、一転してフットワーク中心のアウトボクシングスタイルに変わった亀田。時折見せるノーモーションのフックやボディーブローが小気味よくヒットする。足を止めない亀田にランダエタのリズムが次第に狂っていった。
KO狙いの戦法ではなかったが、圧倒的な判定勝ち。もし亀田が今後もこの戦法をメインとするなら、試合自体は素人受けするシーンが少なくなるだろうが、負けないチャンピオンとして長く王座に座り続けられるかもしれない。
振り返ってみれば、それまでの戦法に無理があったとも言える。打ち合いを望み、より強いパンチで倒しにかかるというのはハデでカッコよく見えるが、長続きする戦法ではない。相手との距離が近ければラッキーパンチをもらう確率も高いし、動きも読まれやすい。特に相手に合わせてカウンター狙いのタイプの選手には、亀田はポイントの獲りやすい相手とさえ見えただろう。前回、微妙な判定とまで言われたのは、まさにそれが原因だったのだ。だから今回の変貌の意味は大きい。
さて、オフサイトミーティングで「来年に向けてどうするか」という発表が明後日に迫っている。8月の彼はコキ下ろしたが、今日の彼には刮目させられたと同時に、とてもいいヒントを貰えた気がする。
私も「ヒット・アンド・アウェーのできる研修職人」になろう。
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