競り負けの理由

2016年のオリンピック開催地が昨夜、コペンハーゲンのIOC総会で決定された。シカゴ、リオデジャネイロ、マドリード、そして東京の4都市が立候補し、最終プレゼン後に電子投票によって、南米初の開催地となるリオデジャネイロが選ばれた。

第1回投票でオバマ大統領も駆けつけたシカゴが落選、第2回投票で東京が落選した。財政保証に政府はノータッチというシカゴと二度目の開催の意義が不明確な東京は、どちらが先であろうと落選するとは思っていた。バルセロナ五輪の記憶もまだ新しいスペインも決定力に乏しい。結局、ブラジルの南米初開催という大義名分が最も強かった。

それにしても東京開催への国内支持率は50%台と極めて低かった。

石原都知事3期目の公約だったのかどうかは知らないが、招致活動が十分な助走もなく唐突に始まったという感がぬぐえない。まるで知事とその周囲だけの独走のようだった。私には、まるで新銀行東京の大失策を無かった事にするためにオリンピックによる経済効果を狙った活動としか思えなかった。そう感じた人も少なくなかったのだろう。だから世論が盛り上がらなかったし、鳩山首相もギリギリまで出席を渋った。知事が熱望していた皇太子夫妻の招聘も叶わなかった。

招致に成功すれば東京の場合、経済波及効果は約3兆円と言わていたそうだ。そのための招致活動費として公称150億円が投じられたという。

祭りのあとの淋しさは・・・と歌ったのは吉田拓郎だったっけ。

・・・・・・・

さて、今年に入って怒涛のような日々が過ぎ、気がつけば1年の3/4が終わっていた。

新製品目白押しのウチの会社、特に新規分野への新製品参入が目立っている。先月発売になったのは肥大した前立腺を縮小させる効果のある新製品で、この製品で泌尿器科領域への本格参入となる。また、マスコミ報道が先行した形となったが、がんの予防を実現できる期待を担った子宮頸がん予防ワクチンも年内発売を目指している。

近年発売されたウチの会社の新製品のどれもが、その治療分野のリーディング・プロダクトと呼べる画期的で強力な製品であるというのは他に類を見ない。その上にその数がハンパじゃないのだ。2、3年に一度でも新製品が発売できれば一流会社と呼ばれるこの業界にあって、今年だけでも4製品を数える。

これまで何度も書いてきた事だが、待ちに待った新製品が発売されれば、それこそ全社挙げてのお祭り騒ぎになるのがこの業界なのに、営業部隊の一部の連中は「この忙しいのに、また新製品か」などというトンデモ贅沢発言をしたりする。

だがそれは、幸か不幸か最初からこの会社に入ったために、新製品のありがたさというものを身にしみて感じる経験を持たない若手や新製品の育成よりもすぐに販売実績を求められる事に疑問を持ちつつ心身共に疲弊した現場のマネジャーを含めたベテラン達の本音なのかもしれない。

ここで気になるのは「新製品の育成」というキーワードだ。

簡単に言えば、外に対してはエキスパートと呼ばれる顧客からじっくりと使用経験を積んでもらい、それを学会や講演会のオピニオン活動を通じて広く波及させ、やがてその分野で確固たる製品ポジショニングを確立していくというプロセスを指す。内に対しては、製品担当者として求められる知識とスキルを主に研修を通じて習得し、製品に対する自信と愛着を持ったプロモーション活動を行なえる営業部隊にするという事を指す。時間はかかるが、この両者が噛み合ってこそ新製品は大きく育つのである。

ところが現実は、あまりに新製品の発売が集中するため研修すら追いつかないのだ。

もっと正確に言えば、訪問回数の目標達成が販売実績アップに結びつくと信じている上層部が、それを確保させるために、営業部隊に対する研修などに費やす時間の制約をより厳しくしているという事に他ならない。だが、これでは未知の新規分野に進出するための理論武装や対応能力が決して十分とはならない。だから、ひとたび顧客から疑問や懸念などを呈されると途端に腰砕けを露呈する。

会社を代表する担当者としての知識量も自信も不十分、それでも製品そのもののポテンシャルが高いため、黙っていてもある程度は売れる。だから個人技と言うべきパフォーマンスの必要性が高まらない。やがて言動全般もスマートと言えば体裁は良いが、コミュニケーションにおけるインパクトが足りないために顧客の受ける印象が薄くなる。ここ一番で競合他社に競り負ける事も多い。

オリンピックの招致活動程度なら国家の一大事に発展する事もなかろうが、製品と人材が育たなければそれこそ営業会社の一大事だと思うのだが・・・。




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Chaie<チャイ>

Author:Chaie<チャイ>
最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

某企業のプロフェッショナルな研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、ステージを替えて今後は頼れる薬局のOYAJIを目指したいと思います。

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