地雷と踏み絵

政権交代から一週間が経った。鳩山内閣の各閣僚は、それぞれのポジションで自公政権時とは異なる政策をマニフェストに則って口にし、実行し始めている。言ってみれば、まだアドバルーンを揚げたに過ぎない段階だけれども、それでも今までの政治とは変わったという印象を国民に与えるには十分だったのではないか。

だが、逆に負の要素として露呈してきた部分もある。

新政権の「地雷」になるとしたら、多分この人じゃないかと思っていたのが郵政改革・金融相の亀井静香氏だ。予想通り、まずは「重要な課題は3党で合議して閣議に上げる仕組みを了解して連立政権に参加した。それが関係なく進むならば、おかしな話だ!」と管直人副総理・国家戦略担当相に不満をぶつけた。

返す刀で、民主党マニフェストの目玉である子ども手当てについて、「財源を軽くするために所得制限を設けるべき」と提言。「子どもの育成に差はない」とマニフェスト堅持派の藤井財務相氏と意見対立を見せた。「社民党は所得制限を設けるべきだとしている」と亀井氏に同調する福島みずほ消費者・少子化担当相はオマケ。

亀井氏の刃はこれだけでは収まらない。次は郵政改革の見直しの方向についてだった。原口一博総務相の推す案は、日本郵政と郵便2社を統合した上で、金融2社を傘下に収めるというグループ社化だった。これに亀井氏は、郵便、貯金、保険の3事業をより一体的に運営するためには1社に集約すべきだとの意見で、福島氏も同意している。

それにしても彼女もよくワカラん存在だ。先日のワイドショーでも子ども手当てや少子化対策について、あれもやるこれもやるとまるで理想論をしゃべりまくった挙句、司会の鳥越俊太郎氏から「ところで現在の出生数と死亡数をご存知ですか?」と訊かれて全く答えられなかった少子化担当相の福島氏。社民党の存在アピールのためか、何かと民主党政策に異議を唱え、何でも亀井氏に同調する態度は実に見苦しいぞ。

オマケのオマケに、秘書給与問題で沈んで再浮上した辻元清美氏。政権与党の副大臣就任をダダコネで拒否。その理由が社民党の国対委員長だからとのたまったトンデモ女である。根拠もなく理想論を言うだけの福島氏といい、権力にカミつけば済んでいた辻元氏といい、やっぱりアンタらは責任を負わずにいられる万年野党でいるべきだよ。まあ、どうせ社民党も次の参院選までだろうけど。

彼女らはどうでもいい。話を戻せば、海千山千の自民党DNAを色濃く持つ亀井氏の発言を甘く見てはいけない。歯に衣着せぬ発言が多いというのは情に左右されやすいとも言えよう。ややもすると、すぐに野党やマスコミから閣内不一致の烙印を押されかねない。特に野党連中は、ここが突っつきどころと手ぐすねを引いているかもしれない。

・・・・・・・

新政権の「踏み絵」になるとしたら、公共工事差し止めを推進する前原誠司国交相だ。

彼もマニフェストに則って、八ツ場ダムや川辺川ダム、沖縄泡瀬干拓事業の中止を明言している。これまでの軋轢の歴史や住民感情などを抑え、建設容認以外の選択肢を取ろうとすれば、誰が担当しても極めて難解な問題だ。既に「有限実行」よろしく彼の発言を巡って、住民側が真っ向対立している。今日にも現地視察と共に意見交換会を開きたいとしているが、住民側は不参加を表明している。

笑ったのは、自公政権時代は一度も来なかった公明党幹部が、わざわざ前原氏視察の前日を狙って現地で意見交換会を行なった事だ。何だ、その小賢しいスタンドプレーは! 野党になったお前らに今さら何が出来るというんだ! 公明党もそのまま野党がお似合いだよ。

マニフェストに掲げた数々の政策を実行するためには財源が必要で、そのためにはムダな出費を抑えるのは必須だ。その際たるものが公共工事というのも自明である。進行中の公共工事の中止を果たせば、ムダ遣い削減という姿かたちが非常に分かりやすく、かつ鮮やかに国民の目に映るに違いない。今までの自民党政治ではあり得なかった事をやる勇気と決断は大いに支持したい。

だが、事はそう単純には行かない。前原氏は直球勝負などと言っているが、この問題は猪突猛進だけでは到底解決できない。現実的な落とし所を定め、どこまで容認するかの線引きが重要となる。いずれにせよ、これが政権交代の象徴的な「踏み絵」となるのは間違いないだろう。

革命という創造には破壊が付きものである。



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Chaie<チャイ>

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最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

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