大晦日前の一騒動
母親の姉の夫である伯父が28日に肺炎で入院し、今日になってどうも容態が急変したらしく、もう家には帰れないと主治医から宣告されたという。
「すわ、一大事!」という事で、両親と母親の弟夫婦ら総勢6名の親戚が入院先の横浜の病院へ全員集合となった。地理的に一番近い我々が最初に到着した時には、伯母や娘夫婦たちはICUでムンテラを受けていたらしい。外で20分位待っていたら出てきた。
訊いてみると、肺炎は沈静化し送管も取れ、話もできる状態に回復したとの事。ホッとはしたものの、それなら危ないという物騒な情報が誰が言い出したのかが気になった。
どうやらそれは伯母からの電話だという事がわかった。伯母は11月に都内の一戸建てから娘夫婦のいる横浜市のマンションに引っ越してきてから不眠を訴え始めたらしく、たしかに正月に見た時より二回りも痩せていた。
すぐにこれは教科書的なうつ症状だとわかったが、よくよく話を聞くとそれだけじゃなかった。伯母はかなりの蓄財家で、マンションも余裕でキャッシュで買えるほどだったらしい。だが、引越し後に通帳や証券類の住所変更ができなかったのでパーになったなどと口走ったり、探し物の場所がわからなくなったりしていたらしい。以前のチャキチャキした言動とは打って変わって、出てくるのは全てネガティブな言葉ばかりだった。
明らかに認知症の始まりである。でも残念と言うか悲しかったのは、伯母の口から出る心配事は、そのどれもが金銭にまつわる心配事ばかりだったという事である。それが財産を持てる者のサガであると言えばその通りかもしれないが、もしかして余分な蓄財などなければ、こんなストレスを感じる事もなかったのかも、と思う。
こうしてみると、人間何が幸せで何が不幸のきっかけになるかは分からないものだとしみじみ思う。ああ、我が家には財産なんてなくてよかった。
今や入院している伯父よりも、この伯母の方がよっぽど心配である。
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