回天と桜花
それでも回天と桜花を直接息子に見せたくて、カミさんをロビーに残し二人で入場した。古代から幕末あたりの展示はほとんど無視して、日清・日露戦争から大東亜戦争のコーナーへ急ぐ。
そして戦死者の遺影が並んでいるコーナー。去年の春に訪れた知覧の「特攻平和会館」での特攻隊員の遺影展示と同じように万感胸に迫るものがあったが、それをグッと堪えつつ、
「この人たちが命を賭けて護りたかったものは何か」
「日本は戦争という外交手段をなぜ選ばざるを得なかったのか」
「手段の良し悪しは別にして、あの時もし日本が打って出なかったら、現在の日本はどうなっていたか」
「今の時代のいじめ問題のいじめる側、いじめられる側に置き換えればどうか」
などなど息子に語りかけた。
そして回天と桜花。実物の回天に触れながら、この兵器の意味するところを説く。特攻志願とは何だったか、それが自分だったら手を挙げられるか乗り込めるか、こんな悲惨な手段でも実行を決めた人の気持ちは…今はピンと来ないかもしれないが、少しでも思いを馳せてくれたらいいと思う。
いつの日か、今度は自分の意思でじっくり時間をかけて来てほしい。
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