カミさんも物欲
中古で購入したノートPCの具合が悪くなったらしい。見ると、立ち上がりで固まったようで、どうやらブート部分の不具合が発生しているようだ。確かにHDD自体の寿命が来たのかもしれない。何せ購入した2001年時点で既に中古だったのである。でも10万円以上はした。
当時のプレゼンは、まだオーバーヘッド・プロジェクタ(OHP)がメインツールだった。
ウチの会社でも2002年頃から徐々にパワーポイント(PPT)が出始めてはいたが、まだまだPPTを使いこなせる人間も少なく、おまけに現場はデスクトップPCが主流で、ノートPCは共用で1~2台あるのみだった。外部施設でもPC用プロジェクタはほとんどなく、説明会などでは依然ポータブルOHPを持ち歩いていたものだった。何度も使うOHPシートを如何に手垢にまみれさせないかが大きな問題だった。
これではいけない。製品説明資材がPPTで作成されるようになったのを契機に、研修のプレゼンにもPPTを積極的に使おうという事で自腹を切って購入した。・・・ま、これはカミさんを説得する表向きの理由で、半分は自分専用のノートPCが欲しかったのである。
やがて各人に会社からノートPCが貸与されるようになり、購入したノートPCの方はいつしかカミさん用となっていった。ネットにアクセスさせていないので、使ってもワードやエクセル程度だったけど。
・・・・・・・
「小型のノートPCを見に行きたいな・・・」これまた唐突にカミさんが呟いた。
早速、私はネットで情報収集&猛勉強。最終的にネットブック2機種に絞り込んだ。どちらのスペックも価格もほぼ同じ、後は好みで決めればいいと新宿の大型店に先乗りした。驚く事に、イー・モバイル新規同時加入で本体価格が10分の1にもなるのだ。まるで初期の携帯電話みたいである。中には100円機種すらあった。これは利用しないテはない。
ただしイー・モバイルは最低2年契約でランニングコストは月3000円、早期途中解約には多額の解約金がかかる仕組みだ。さほどネットを使わない人なら結局は高くつく。そこで出てきたのがドコモのデータ通信。ランニングコストこそ割高だが、途中解約は1万円でできる。PC本体3万円引きに加え、旧モデムプランなら端末1円のうえ、さらに1万2000円の追加割引もあると言う。これは知らなかった。
計算したら4万2000円もの割引となり、支払い総額は何とイー・モバイルの場合よりも安くなった。これなら購入した翌月に解約しても実質3万円以上の値引きを受けた事になる。さらに最近は「HOT SPOT」に代表される公衆無線LANサービスもある。どうしても外でネットしたかったら接続ポイントに行けばいい。だいたい月400円~1600円程度のコストで済む。
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戦略も決まり、後は買うだけという段に至って問題が起きた。イー・モバイル加入にはクレジットカードのみで良かったが、ドコモは免許証か保険証も必要だったのである。身分の証明ならクレジットカードで十分だろうとは思ったが、あいにくそれ以外は所持していない。出直すしかなかった。
「無きゃ無いでいいかも・・・」これに目が覚めたのか、初めから冷静だったのか、三たびカミさんが呟いた。
当の本人が要らないと言うなら話は決まりだ。私もわざわざ屋外に出でモバイルするほどのネットフリークじゃなし、所詮はモノ珍しかっただけなのかもしれない。こうしてカミさんを交えた物欲騒動は(一時?)終息を迎えたのである。終わってみればあっけないモンだ。
ああ、それにしても昨日は長い一日だった。
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