温故知新シリーズ 16
そもそも英会話の習得には必要性を感じていなかった。いざとなればBroken English & Body Englishで十分通じると思っていたし、実際いくたびかの海外旅行でもほとんど問題はなかった。ましてやお金を払って習うなど、物好きの所業そのものだとさえ思っていた。
そして十余年。勤めている会社は確かに外資系なのだが、日常業務で英会話が特別必要なわけでもない。大学時代に英会話を習得した者やせっせと語学学校に駅前留学している者もいたが、「ごくろうさま」 程度にしか見ていなかった。社内の外国人は社長をはじめ日本語が話せる人が多いし、会議等もすべて日本語である。
ある日、本国から一人の研修担当社員が来た。Training capabilityを我々にlectureするために来日したらしい。当然通訳付きのlectureで、全く不自由はなかった。終了後の食事兼懇親会では、英会話ができる人が彼と会話し、ほとんど頷いているだけだった私も、時々はそれに混ざったりしていた。
その時、私は感じた。例えば海外旅行等で何かを言いたくて、考えた上で自分から発する言葉であれば、ある程度自分のpaceで言える。でも、会話として相手が発する言葉に対応するには、それでは遅すぎる。この時も、joke好きな彼に全く対応できない自分がそこにいた。私だってjokeは大好きである。しかし、英語で言えない。どう言っていいかもわからない。そもそも彼の言葉自体がうまく聴き取れないのだ。
後日、せめて簡単なphraseだけでも覚えれば、ちょっとは気の利いた言葉が言えるのではと思い立ち、得意の大型書店通いの際、簡単phrase集のCD Bookを購入し、通勤の行き帰りに聴くようにしてみた。普段なら興味の無いことに対しては飽きっぽい私が、不思議なことにちっとも飽きない。逆にますます興味が沸いてきたではないか! その理由は今もって自分でもわからないが、とりあえずここに英会話習得のひとつのきっかけが訪れた事だけは確かであった。
こうなったら私は早い。ダラダラと駅前留学しても、決して期待する効果は挙がらない。同僚を見ていてそう確信していた私は、習得には短期決戦、自分を追い込むのみと決めた。そしてInternetで「英会話」と「合宿」とで検索して出て来たのが、今回参加した「英会話地獄合宿」ならぬ「High Speed English」である。
資料には、5日間、7日間、13日間のcourseがあったが、費用・日程の関係から7日間courseを選んだ。場所は富士宮市の山の中、自前の研修所。1週間外出厳禁。日本語厳禁。PC、携帯、TV、新聞ももちろん厳禁。居ながらにして24時間海外留学環境である。これしかない! そう直感した私はpressureを感じながらも思い切って参加を決意した。
「ま、避暑を兼ねての旅だと思えばいいや!」 と。
(②へ続く)
(2003年9月 記)
・・・・・・・
2003年9月に書いたこのエッセイから「ですます体」から「言い切り体」へ文体が変わった。とは言え、いくら英会話に熱を上げていたからと言って、英単語織り交ぜのこんな文章、読み難いったらありゃしない。
それはともかく、帰省してきた息子のT予備校のVTR教材受講のため、目下自宅PCを占領中。それに連日の暑さも手伝ってエントリを書くエネルギーも衰退気味。
よって、もう7年も昔になるが、一度は燃えた「地獄の合宿奮闘記」3部作をホームページからブログへのエントリ移行も兼ねてアップする事にしたので、よろしく。
- 関連記事
-
- 温故知新シリーズ 18 (2010/08/10)
- 温故知新シリーズ 17 (2010/08/09)
- 温故知新シリーズ 16 (2010/08/08)
- 温故知新シリーズ 15 (2010/05/05)
- 温故知新シリーズ 14 (2010/05/04)