最高のガチンコ・ゲーム!
これは決して夢ではない。ましてや親善試合でもない。
トヨタカップを賭けたFIFAクラブワールドカップ準決勝、アジア王者ガンバ大阪と何とヨーロッパ王者マンチェスター・ユナイテッド(マンU)の夢のガチンコ勝負が行われたのである。
マンUと言えば、何を隠そう中学生の時サッカー部員だった私には、あのジョージ・ベストの名声と共に記憶されている英国の超名門チームだ。そんなチームとの真剣勝負、普通ならマトモに試合にすらならないだろうと思われた。だが、今夜のガンバは違った。
捨て身の超攻撃的な前掛かり戦法で、マンUのDF陣の裏にパスを繋いでいく。ファーストシュートから前半4分後の3本目のシュートまで立て続けに放つ。しかも攻撃時のディフェンスラインはセンターラインの高さまで上がっているから攻撃にも厚みが出る。その半面、守備に穴は出て来るけれど、そのリスクをものともせずに前に出る。日本のチームもここまで徹底したサッカーが出来るんだと、観ていて気持ちいいの何のって!
ペナルティエリアでマンUディフェンダーの明らかなハンドの反則もあったが主審はスルー。それよりも流れの中で1点が取れそうなほどガンバの攻撃が冴え渡っていた。しかし前半28分、ついにコーナーキックからのDFヴィディッチのヘッドで先制され、ロスタイムにはやはりコーナーキックから今季世界最優秀選手、MFクリスティアーノ・ロナウドの弾丸ヘッドで2点目を失ってしまった。
やっぱり歯が立たないのかと誰もが思い始めた。だが、歴史はここから動いたのである。
後半29分、DF加地亮が前線へロングパス。受けたMF橋本英郎がすぐに左へ流し、走り込んだFW山崎雅人が右足を合わせてゴール中央に! 遂に遂に王者から1点をもぎ取ったのだ~! これは歴史に残る快挙だぞ~!
その興奮もつかの間、そのわずか1分後、交代したばかりの17歳でイングランド代表入りしたFWウェイン・ルーニー、MFフレッチャー、またルーニーと立て続けに3得点されてしまい、勝負の上では万事休す。さすが攻撃サッカーのマンUだが、このとんでもない破壊力こそマンU最大の魅力でもある。
だがだが、それでも歴史は動く。
今度はマンUにハンド。PKを蹴るのはおなじみ「コロコロPK職人」MF遠藤保仁。名GKファン・デル・サールも及ばぬ面目躍如のコロコロゴールで2点目だ~! さらにさらに、ロスタイムでMF橋本英郎のダイレクトシュートが炸裂~! 遂にマンUにシーズン最多失点をお見舞いしたのである。最後はC.ロナウド得意の無回転フリーキックがGK藤ヶ谷陽介の手に吸い込まれたところで、残念ながらゲームセット。
終わってみれば5対3。しかしマンUとガンバ大阪とではハンデ2点位の実力差は優にあろう。だったら実質ドローだな、ワハハのハ~!
・・・まあ、勝負には負けたかもしれないが、試合は立派に互角だったと大いに賞賛したい。きっと日本代表でもここまでの試合は出来なかったろう。それほどまでに今夜のガンバはスゴかった。さあ、胸を張って3位決定戦に臨もうではないか!
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