ワクチンはいらない

今シーズンは(今シーズンも、かな?)、インフルエンザに関する報道がかまびすしい。正確には「インフルエンザウイルス感染症」の事で、よく混同されがちだが、いやゆる風邪とも呼吸器感染症を引き起こすインフルエンザ菌とも異なる。

過熱報道の原因は、「H5N1型」というA型インフルエンザウイルスの変異ウイルスが及ぼすパンデミック(感染爆発)への懸念だ。インフルエンザウイルスはもともと鳥を自然宿主として感染している弱毒性のウイルスで、それが突然変異してヒトに感染すると強力な病原性を発揮するのである。これがウイルスの怖いところで、ヒトにAIDSを発症させるHIVエボラ出血熱を発症させるエボラウイルスもキャリア(自然宿主)に対しては共存共栄である。

今回取り上げられている「H5N1型インフルエンザウイルス」は、高病原性鳥インフルエンザウイルスの一種で、鳥から鳥に感染し病原性を発揮する。現在のところ、鳥からヒトへの感染は認められているが、ヒトからヒトへの感染拡大はごく限られたケースにしか確認されていない。ところが、インフルエンザウイルスは極めて変異しやすいウイルスで、鳥から豚やヒトへ感染している間に突然変異を起こし、種の壁を越えてヒトの間で感染する可能性があるため、WHOも警鐘を鳴らしている。

では、その予防対策は?

インフルエンザ感染症の感染者は外出などは禁じられているが、このご時勢、徹底されているとは言えないのが実情だ。特に、激しい症状が発症する前の潜伏期の感染者が通勤時の満員電車内などにいるかもしれないので、せめて外出後の手洗い・うがいの励行は言うまでもない。

代表的予防法にワクチン接種がある。かつては学校などで集団接種が行われていたが、種々の問題のため現在は任意となっている。にもかかわらず、ウチの会社では毎年全社員に接種の要請メールが届く。接種の有無を報告させたり、放っておくと何度も催促メールが届くので、要請と言うより強制である。実は私はこの接種の強制に断固反対しているのだ。

現在のワクチンは感染・発症を防ぐものではなく、発症後の重症化を防ぐというスタンスである。それに加えてワクチンに対する種々の問題、すなわち流行を予想して作成したワクチン型と実際に流行したウイルス型が異なると効果がない、ワクチンそのものが有する副作用の問題、注射という投与方法による筋麻痺などの危険性がある限り、そのリスク・ベネフィットの判断は個人に委ねられてしかるべきである。会社からは接種しない理由を毎度求められるが、私は堂々とそう答えている。

では、もし感染してしまったらどうするか?

他者への感染機会を可能な限り除くのは当然のマナーだが、自身には治療薬を用いるのが効果的である。現在使用可能な抗ウイルス薬は、経口薬ではアマンタジン(商品名シンメトレル)が最も古くからあるが、これはA型のみでB型には効かない。いまや最も有名な特効薬とされるオセルタミビル(商品名タミフル)は両方の型に効く。ただし経口投与なので薬物が血流に乗って全身を循環するため、種々の副作用の懸念がある。H5N1型はこの薬に耐性を示すという。

吸入薬であるザナミビル(商品名リレンザ)も両方の型に効く。また予防投与(保険外)も認められている。吸入薬なのでウイルスの増殖部位である気道に高濃度に投与が可能な半面、体内吸収率が低いため全身的な副作用の懸念は低い。さらに作用部位の違いからウイルスの変異にも強く、H5N1型などにも有効とされる。

という事で、現時点での私の感染対策は、一般的予防法の励行と共に最も有効性と安全性の高いとされる吸入薬を家族の人数分購入しておき、いざインフルエンザ感染症の特徴的な症状(咳、38℃以上の発熱、関節・筋肉痛)が現れたら、直ちに全員が吸入するというものである。これで感染者本人の治療と周りの人間の予防が可能となるのだから、敢えてリスクを犯してまで予防接種をする必要もないと考えている。





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COMMENT

ピンちゃん、お久しぶりです。

毎年流行る季節性のインフルエンザの場合は、高齢や持病を抱えてる人でなければそんなに心配する事もないと思います。毎日のケアもうがい薬程度で十分でしょう。
どうも今年のワクチンはどうやらハズレっぽかったようですが。マスクはウイルスを通さないものが一般にも売られてますので、それでいいでしょう。
新型インフルエンザに対しては、今、国と企業が進めているパンデミックワクチンかリレンザでしょう。こういった抗ウイルス薬類は残念ながら一般薬ではないので、医療施設でしか手に入りません。しかも予防目的の場合は全額自費です。
私がやってる一番の予防法は、会社で咳をしたヤツはとっとと帰宅させることです。

いつもいつもためになるコラムですわ~~
私のパンデミック対策は、自己免疫力を日常的にアップさせておけるような、
生活習慣の心がけと、マスクの準備!(笑)
パンデミックが起こったときにはマスクは売り切れているとおもうので。。。
ただ、悩ましいのは、どの程度のマスクを用意するべきなのか・・・よくわかっていませんわ。
それと、吸入薬は市販薬でもいいですか?
教えてくださいね~~

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最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

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もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

某企業のプロフェッショナルな研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、ステージを替えて今後は頼れる薬局のOYAJIを目指したいと思います。

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