江戸の仇を駿府で討つの巻
今から出ても混雑のピークなのが分かりきっているので、さらに30分ほど出を遅らせ、会社の前の開店したてのパスタ屋へ向かった。ここは最近になってランチも始めたのだが、おもてのメニューを見て一同たまげた。安いメニューでも1500円! このエリアでの価格としては文字通り破格である。スゴスゴと諦め、その隣の夜はモツ鍋を出してる店に入った。グータラK君は夜に来た事があるらしいが、我々は初めての店である。
テーブルが4つほどの小さな店なのに、そこにいた50代前後のオバチャンは不思議と動作がのろい。とっくに帰った客の後片付けもしておらず、我々はしばしドアのところで待たされた。やっと席に着くも水さえ出て来ない。注文も訊きに来ないので、K君が二度ほど声を掛け、やっと2人がビピンパ、私は肉とモヤシのジュージュー焼、K君は冷麺+小ビピンパというランチメニューを注文した。だが、これが後々災いを及ぼすとは、このとき誰が知っていただろうか。
ご飯と漬物、サラダと味噌汁が載ったトレーが早々と私の前に出されたのはいいが、肝心の料理が来ない。どうやら厨房も一人なので、注文された料理は1種類ずつしか作れないらしい。まずはジュージュー焼からだが、焼ける音と共にあっという間に店中がモウモウとした煙で燻され始めたのである。換気扇もまるで効かない。だったらドアを開ければいいのに、当然そんな事に気が回るオバチャンではない。
味は濃いわ、鉄鍋なので食べてる間にモヤシは焦げるわで散々だった私の料理が出てから優に5分以上経っただろうか、次にやって来たのがビピンパ2つ。K君の冷麺はまだ来ない。さらにそれから10分も経過した頃に、ようやくそれはやって来た。もちろん私はとっくに食事は終わっていた。そのK君の冷麺、一目見て怪しいと感じたが果たしてビンゴだった。明らかに茹で時間不足の麺は、コシの強さどころかまるでゴムのような弾力を有していたのである。しかもタレがショッパイの何の!
食後のセットコーヒーも、まるで初期のデニーズのように香りがなく味も薄い。思えば、いつも飲んでる「PRONT」の安いコーヒーの何と美味く有難かった事か! 物事すべからく下があるのを知ってこそ、それまでの物の価値が見えて来るってモンだ。これで@1000円。近来まれに見る最悪のランチだったのは言うまでもない。気がつけば会社の前という近場の店だったのに、すでに昼休みの時間がほとんどなくなっていた。一同ひたすらブルーなまま60分を過ごしてしまったというワケだ。
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今日は新製品の発売直前研修に参加するため静岡に向かった。もちろん昨日の傷はまだ癒えてはいない。
静岡と来れば「沼津 魚がし鮨」だ。実はこの系列店は東京駅の丸ビルや羽田空港にもある。ただ、東京であり立地条件も良いせいか、値段も高めに設定されているため少々入りづらい。だから本拠地である、ここ静岡に来た時は心おきなく行きたいと思うのである。
昼食だったで回転寿司の方の店に入る。ここは注文の仕方がちょっと変わっていて、目の前にあるチェーン居酒屋のようなタッチディスプレーで注文するシステムだ。カウンターに座って声ではなく機械を操作するのは違和感があるが、とりあえず地モノのアジを注文。夏が旬なので脂の乗りはイマイチだが、味は相変わらず良い。出色だったのが生サバだった。まるで大トロを思わせるような柔らかな口解け感は、今まで食べたサバの中でも最高だった。さらに定番のヤリイカやツブ貝も食べ、合計6皿12カンで1900円は満足!
研修では、コイツを鍛えれば課のモチベーションが上がると見込んだT君と明日に説明会を控えているというY君の2人に集中し、予定していたアセスメントを通り越してマンツーマン・トレーニングとも言うべき濃密なやりとりを行なった。結局、その2人だけで演習時間が終わってしまったが、目論見通り大きな自信を植え付ける事に成功した。今後の成果が楽しみである。
研修が終わって静岡駅に戻り、ちょっと早めの夕食とばかりに今度はもう一軒の「沼津 魚がし鮨」に入った。こちらの店は普通の鮨屋の設えである。同じ日の昼と晩に同じ系列の店に連チャンするのはもちろん初めてだ。でもこの店なら許す。
さっそく「正雪 純米」と地魚四点盛り(ビンチョウマグロ、カンパチ、アジ、タチウオ)と自家製塩辛を注文。酒も肴も地モノだとその相性たるや抜群だ。あっという間に一合終了。続いて「開運 特別純米」へ。これまた相性ドンピシャ! 予定より1本早い新幹線を目指し、仕上げに昼に回転寿司で食べた生サバとヤリイカを握ってもらってフィニッシュ。お一人様なのでCPは良くないとは思ったが、それでも3800円。またまた満足、ザマ~ミロ! これでやっと昨日の傷が癒された。
という事で、江戸の仇を駿府で見事に討ったという一席。 ・・・お後がよろしいようで。
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