松本てんやわんや
ペットボトルで水分補給をしていると、受講者達がやって来た。長野、山梨という広大なエリアを担当している彼らの半分は前泊移動組だ。そのせいか、皆疲れたような赤ら顔をしている。そう、昨晩もいつものように安い居酒屋で盛り上がっていたに違いない。
そんな受講者20名足らずの小さな研修が始まった。いざ研修が始まればこっちは職人、打って変わって気合の乗った講義をブチかます。質問をしては、知った顔の後輩などを集中的に当てる。時折、飲み過ぎて腹を壊した受講者などがトイレを目指して中座する。それでなくてもかなりのボリュームに受講者の意識が遠のき始めた頃、鬼のダメ押し確認テストをやってフィニッシュ。どちらもヘロヘロ。
帰りの列車までにはまだ1時間位あるが、台風の影響で雨が降っていたのでとりあえずタクシーで駅に向かった。すると、改札口に人が群れている。訊けば、手前の塩尻駅で列車故障があり、現在撤去作業中との事。そのため塩尻駅に向かう東京・名古屋方面の列車がすでに1時間以上も足止めを食っていたのである。2本前の特急列車もまだ出ていない。
一刻も早く帰りたい女性同僚は、長野駅から新幹線というルートを模索するが、それとて大幅な遅れを生じている。だが、状況は天災や人身事故などではなく、単なる故障列車の撤去作業だ。終わればトコロテン式に動き出すだろう。私は「動かざること山の如し」で、信州蕎麦でも手繰りながらデンと構えていようと思ったが、時間が気に掛かるふうの彼女にそれを言い出せないでいた。ここらあたりが男同士と違って難しいところである。
結局、駅のコンビニでおにぎりとお茶を買い、それを持って改札前で佇むこと40分、その時アナウンスが流れた。どうやら100分以上遅れて新宿行きスーパーあずさが発車すると言う。時刻は18時半をとうに回っていた。
我々の乗る予定の1本前の列車だったが、空席状況確認のためホームに降り、ガラガラのグリーン車が見えたので飛び乗った。ここは緊急避難だ、グリーン車もやむを得まい。それ以前に、これだけ遅れた列車で検札なんて無粋なマネはよもやしないだろうと踏んでいたが、果たして車掌は現れず、おかげで混んでる自由席や普通指定席を尻目にゆったりとくつろげた。これも旅のテクニックだわな。
台風とのヒキの勝負には勝ったものの、思わぬところでトラブルに見舞われた。まあ、物事なんて案外こんなモンだ。それでも22時過ぎには帰宅した。
今朝目覚めると、さらに速度を増した台風13号はすでに房総沖へ抜けていた。東京は台風一過の快晴である。さぁて、明日は日本海だ!
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