生まれてきたということ

Bookmarkに登録して愛読しているブログの一つに「ななのつぶやき」がある。Authorは産婦人科の女性医師で、毎回心に染みる文章を書いておられ、仕事の合間に心にホッとする瞬間を提供してくれる。4月13日付で「2つの流産」というエントリがあった。

そのエントリは、数ヶ月前のご本人の流産の告白から始まっていた。そしてある患者さんの妊娠14週での流産の描写へ。心優しい看護師さんが、小箱に入った体長15cmほどの胎児のために綿帽子を作って、サクランボほどの頭部にかぶせてあげたそうだ。

「患者に見せるんですか?」と訝る研修医に「先生、見せる、じゃなくて、会わせる、ね」と諭した場面で、モニターを見ている私の目にこみ上げるものがあり、大いに焦ってしまった。そして一昨日の夜の事を思い出した。

一昨日、横浜での研修に前泊移動した3名のメンバーで、私イチ押しの中華街「東林」に行った。この店は、POOBのkurimi氏から紹介されたのが最初で、それ以来、中華街に行く機会があれば立ち寄ると決めてる店となった。今までにかれこれ4、5回は訪れている。特に、ワタリガニの玉子炒めやピーナッツ餡の胡麻団子がウマい。

ビールを飲みつつしばらくすると、料理を運んできた店員さんに見慣れない顔の女性がいた。丸顔で笑顔の似合う30代と思しき女性で、その後、彼女は1歳くらいの男の子を抱いて我々の前にやってきた。訊けば彼女はここのシェフの奥さんで、子供を寝かしつける役目のご主人の仕事が終わるのを待っているのだと言う。

すでに時間は夜8時を回っていた。酔っ払った勢いで冗談半分に「子供は8時には寝かせなきゃ、ちゃんと育ちませんよ」などと言いながら、ふと子供の顔を見て愕然とした。その子は典型的なダウン症児だったのである。それは誰が見ても明らかで、彼女も当然それを承知の上で、でも平然とすべての母親がそうするように抱いた子供をあやしている。

すぐに私は、その子の目がとても優しい光を放っているのに気付き、「かわいいなぁ。この子はきっと優しい子になりますよ」とその子の頭をなでながら言った。彼女はそれがよほど嬉しかったらしく、「そうですか。よかったね~」と言いながら何度も何度もその子の頬にキスをする。その様子を見ていたら、思わずこみ上げてきたものに焦った。

やがて我々が店を出る時には、ご主人共々見送りに出て来てくれた。お二人とその子に幸あれと願わずにはいられなかった。




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Chaie<チャイ>

Author:Chaie<チャイ>
最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

某企業のプロフェッショナルな研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、ステージを替えて今後は頼れる薬局のOYAJIを目指したいと思います。

愛と情熱を持ってはっきりモノが言える「熱きガンコジジイ」になりたい!

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