シーザーって、誰?

3月度全国研修ツアーも今日の埼玉から後半戦に突入した。

今日の会場は大宮なのだが、ちょっとした事でもすぐ止まる埼京線に対するリスク管理として、私はいつもパレスホテルに前泊移動しておく事にしている。でもそれが決まって日曜の夜なのだ。フォーマルな格好で荷物を抱え、都内で遊び疲れて家路を急ぐ人々に混じって混雑した埼京線や宇都宮線で移動するのはあまりいい気持ちはしないが、仕事だからしょうがない。

埼玉は、かつて私が数年勤務していた土地でもある古巣なので、研修にもより気合が入る。研修は9時過ぎから順調に始まったのだが、今回のテーマの一つである「てんかんの歴史」でジュリアス・シーザーが出た場面、これまでのように「てんかん持ちと言われたシーザーの名前が、発作の英語名の語源になっています」という話をした時の事だった。

若い受講者から唐突に「シーザーって、どんな商売をしていた人ですか?」という質問が出た。

「えっ、君はシーザーが何者なのか知らないの?」
「はい、知りません」
「まさかシーザーを知らない人がいるとは思わなかったな。もしかして他にも知らない人がいますかね?」

その瞬間、約30人の受講者のなんと1/3、10人が手を上げたのである! 

言うまでもなく彼らは全員、大卒の社会人である。私は我と我が目を疑った。次に奈落の底まで落ち込んだ。フォローしようと引き合いに出した帝王切開の通称「カイザー」も有名な「ブルータス、お前もか」のセリフももはやムダだった。彼らは何も知らないのである。「世界史を取ってなかったし」って・・・そういう問題じゃないだろ! ・・・これって他の会場でも確かめた方がいいって事?

それにしても人と話してナンボという営業職、相手のどんな話題にも対応できるよう、浅くとも広いジャンルの知識・情報を日頃から押さえておくのは必須だと思うのだが。いや、これは知識と言うより一般常識の範疇だよな。ちなみに「相対性理論からワイドショーまで」は私の持論だ。

その彼、今度はロールプレーのセッションでも1時間に2回やるところを時間ギリギリになってもやっていなかった。慌てて私の方に呼んでやらせたが、案の定、全くできていない。指示された事前準備をして来ていないは明らかだった。さらに研修も最後のセッションに差しかかったが、なぜだかさらに執拗に質問してくる彼に私は言った。

「あなたが知りたい情報は、あなたのユーザーこそが正確に知っているはずですよね。だったら私らトレーナーではなく、あなたのユーザーに訊くべき事でしょう。情報を内に求めても、こちらが全てを知っているわけじゃないです」と。彼は典型的な「教えて君」だった。

そうしたら「頼りにしているトレーナーなのに、そんなバカにした態度はないでしょう!」と言って来た。だったら、アンタはこちらが求めた事前学習をキチンとした上でこの場に臨んでいるのか? 普段から自己学習をしているのか? 見た限りは到底そうは思えないぞ、と言いたい言葉は飲み込んで、いささか感情的に発したかもしれない自らの言葉の方を私は詫びた。たぶん事後アンケートにもボロクソ書いてくるに違いない。

・・・・・・・

それでもどうにか無事に研修が終われば、出戻りも含めた元部下のメンバー共々、居酒屋に繰り出す算段だ。古巣ならではのこの時間が何よりも私には嬉しい。今日も年上の元部下を中心として組まれた飲み会に参加した。

そこでも先ほどの話が出たが、そこは人生経験豊富な連中、単に彼の認識不足だという正鵠を射る発言であっと言う間に切って捨てられた。さすがベテラン、それまで溜まっていた私のストレスも見事に落ちた。だから私は彼らが好きなのである。

ま、一年ぶりの埼玉研修もこれでひとまずは終わった。我々は研修をする限りは常に完璧を求めてはいるものの、決してそうにはならないジレンマに身を焦がされている。それでも最善を求めて前に進むしかない。それがかけがえのない自分の仕事なのだから。




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Chaie<チャイ>

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最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

某企業のプロフェッショナルな研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、ステージを替えて今後は頼れる薬局のOYAJIを目指したいと思います。

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