求めたがる彼ら

およそ世の中、唯一無二というのはそうおいそれとはない。それがビジネスの場であればをや。一社独占はなく、競合他社や競合品が当然のように存在し、それらとの熾烈な争いに勝たなくてはビジネスが成り立たないのである。

我々が営業社員に行なっている研修の狙いもそこにある。競合他社や競合品が発してくる差別化メッセージに正しく対応するための知識の習得、ユーザーに理解を得られるよう説明できるためのトレーニングを中心としている。

営業社員の研修を通して目に付く事がいくつかある。それがウチの社員だけのものなのかどうかは分からないが、少なくとも私の営業社員時代とは異質なものに映った。

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「相手を疑わず、身内をアラ探し」

彼らは決まってこう言う。「そうは言っても、相手はこう言ってますから」「ウチの製品にもこんな欠点があるので、競合品が劣っているとは言えないでしょう」

まるでそれが正義だとばかりに自社品のデメリットを知りたがり、それをもって競合品の方が優れていると言わんばかりの勢いである。断っておくが、薬の世界で完全無欠な製品などない。ましてや社会正義などの話でなく、ビジネスの話である。なのにどうしてそこまで自社品のアラ探しをしたがるのか? そもそもあんたはどっちの会社の社員なのか? 

そんな彼らを私は「純粋まっすぐ自虐君」と呼ぶ。

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「完全武装しないと出陣しない」

彼らは決まってこう言う。「それに関する資材がないと説明できませんから作ってください」「必ず納得させられる話法を示してください」

こちらの言い分は伝える事はできても、相手から突っ込まれるとロクに対応できずに帰ってくる。だから予め十分な理論武装ができていないと活動できないと言うのである。ハナから時間の限られている研修だけで十分な理論武装ができるはずはない。そういう輩に限って自己学習すらしない。自ら考えるというプロセスなしに、最短距離で答えを欲しがるのである。

彼らの担当ユーザーも彼らと同様に十人十色だ。同じ理解を求めたくても相手のキャラやニーズはそれぞれなのに、すべてに万能な魔法の言葉などあるはずがない。資材作成には相当な費用がかかるから、ナンでもカンでも作れない事情も知ってるはずだ。物量に任せれば勝てるというものじゃないだろう。知識を入れたら知恵で出せ! 見る前に跳べ! 

そんな彼らを私は「何でもやって・教えて君」と呼ぶ。

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「情報を内側に求める」

彼らは決まってこう言う。「現場のユーザーの状況はどうなってるんでしょうか」「会社の見解はどうなんですか」

現場のユーザーの状況に一番詳しいのは誰か? それは現場のユーザーに他ならない。だったらそこに訊いたらいいだけの事だ。それを会社の人間に求めてどうする? 相手に関して分からない事は相手に教えてもらうのが早いし正確だ。それがコミュニケーションにもなる。少なくとも私の時代の営業はそうだった。ユーザーに「そんな事も知らないのか?」と笑われながら教えていただきながら育って来たのである。

通常、上層部は微に入り細に渡った事はせず、基本方針や最終目標を示す程度だ。それをどう応用し、どう具現化するかは現場の裁量である。会社の考えを問う前に、自分ならどうするかを状況判断すべきなのではなかろうか? また、相手の情報が取れない営業社員も意外に多い。挨拶が苦手でスミマセンが言えない者さえいる。彼らは何を恐れるのか、何を守りたいのか? 

そんな彼らを私は「あなた任せ君」と呼ぶ。

あなたの周りにもいないだろうか?



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Chaie<チャイ>

Author:Chaie<チャイ>
最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

某企業のプロフェッショナルな研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、ステージを替えて今後は頼れる薬局のOYAJIを目指したいと思います。

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