プロフェッショナルたち
生死の境をさまよう重篤患者のケア(クリティカルケア看護)のライセンスを持った専門看護師。高度な専門知識をバックボーンとした看護に対する発想は、しばしば主治医を動かす。だが、ICU4年目で担当した幼い少女の死、親友の死など、経験20年の彼女には乗り越えて来たいくつものつらい経験があった。
これらの経験を重ねて行くうちに「医療ってどうあればいいのか、看護ってどうあればいいのか。何もできないな」と嘆いていた彼女は、一つの事に気づいた。「看護に限界はなく、その限界を作っていたのは自分だった」
そして彼女は看護の仕事を極めるため、「専門看護師」の道を突き進んだ。
番組では、スタジオインタビューの最後に本人にこう訊く。
「あなたにとってプロフェッショナルとは?」
「自分のやる事を分かっていて、本当に責任を持って仕事をする人ですね。そして行動に移す人です。考えてばかりいないで、きちんと行動に移す。責任を持って行動に移すという事ですね」
いつ見てもこの番組には心が洗われ、同時に引き締められる。それはきっとすべての出演者がプロフェッショナルとして仕事をし、その現場から言葉を発しているからに違いない。だから、例えどんなに不器用に聞こえる言葉であっても、聴く者の心にズシンと響いてくるのである。
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そのほか過去出演のプロフェッショナル達の「プロフェッショナル」とは?
ベンチャー経営者、秋山咲恵氏 「プロフェッショナルとは、自分が信じた道をまっすぐにひたむきに歩く人。本当にできるのかと思ったような理想が形になる。それを目指して努力する人が、プロフェッショナルだと思います」
ユニセフ、杢尾雪絵氏 「やっぱり『信念を持って人間の仕事をする』、自分の信じている事に忠実に、それに自信を持って仕事をするという事かしら」
パティシエ、杉野英実氏 「永遠の未完成でいたいと思っているんです。だから、今日よりも明日、明日よりもその次の日が、もっとおいしいお菓子ができるように、あきらめないで自分を高めていきたい。それがプロなんですかね」
小児心臓外科医、佐野俊二氏 「誇りと責任です。誇りを持たないといけない。誇りだけで責任がとれない人はだめです。それをしようと思えば、やっぱり努力しないといけない」
玩具企画開発、横井昭裕氏 「素人が千人集まっても一人の人にかなわない。その一人の人がプロだと僕は思っているのですけれどもね。圧倒的に力の差があるという、その技量、ノウハウを持った人がプロフェッショナルですね」
テストドライバー、加藤博義氏 「嘘をつく必要はない。できる事はできると言えばいい。できないというのは、プロがやすやすと言う事じゃない。なんかやってくれるかもしれない、どうにかしてくれるかもしれない、そう思わせてくれるのがプロでしょ」
商品企画部長、佐藤章氏 「やっぱり愛情がある人だと思いますね。テクニカルなプロじゃだめなんですよね。だから人の気持ちの中に入っていける、その中に入っていける人って、やっぱりプロ」
庭師、北山安夫氏 「逃げられない人。要はアマチュアというのは辞められる、いつでも辞められるんですね。プロは辞められないですよ。引き受けたと言うたら最後までやり通さなければならない」
WHO医師、進藤奈那子氏 「やっぱり情熱じゃないかな。プロフェッショナルとは技と情熱。託されたミッションをきっちり遂行するためには必要な事。漠然と仕事をしてはいけない」
経営者、新浪剛史氏 「ぶれなく信じて率先するという人だと思います。信じた事を常にぶれずに率先する。常に率先してやる人、それがプロフェッショナルだと思います」
樹木医、塚本こなみ氏 「一生この道を究めてみたいと思い続ける人。ここまで行っても、ここまで行っても、究めきれない道なんですけど・・・。でも、究めてみたい」
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どんな大家の書いた啓蒙書より燦然と輝く言葉の数々。これだけで人生指南に十分である。
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