登場人物のウラの顔

一昨日、東京地検は、朝鮮総連中央本部の土地・建物の所有権を騙し取ったとして、元公安調査庁長官の緒方重威容疑者(73)、元不動産会社社長の満井忠男容疑者(73)、元信託銀行員の河江浩司容疑者(42)の3人を詐欺容疑で逮捕した。

この事件は、加害者と被害者が入れ替わるという珍しい展開を見せたが、結局、詐欺事件として落ち着いた。事件の詳細が明るみに出るにしたがい、登場人物達のウラの顔も白日の下に晒されてきた。産経新聞の記事から要約してみよう。

まずは主人公の緒方容疑者。

元検事の父を持ち、早大法学部を卒業後、1960年に父と同じく検事に任官した。主に公安畑を歩み、公安調査庁長官、広島高検検事長を務め、1997年の退官後は弁護士になった。「初めは節度をわきまえたいい弁護士だった」と、当時を知る弁護士は話す。

しかし退官の翌年、満井容疑者の弁護を引き受けたのをキッカケに、その仕事ぶりや生活は大きく変わっていった。2人は、弁護人と依頼人という関係を飛び越え、ビジネスや借金を巡って億単位の金のやりとりをするようになる。

2003年、金融機関からの信用を失っていた満井容疑者のために自分名義で4億3000万円の借金をした。大量の借金を背負った緒方容疑者は満井容疑者に返済のアテがない事を知ると、「どうしてくれるんだ!」と怒鳴りつけ、こう背中を押したという。

「違法行為でもいいからとにかく返せ! 矢面にはオレが立ってやる。オレの現職時代の肩書があれば大丈夫だ」

2005年、共に六本木のビル転売に関わった際には、転売益3億円を持ち去ったとして、不動産会社に返却を求められた。その際も「返さないと訴える」と迫る幹部に、緒方容疑者は「誰が私を逮捕できるのか。仮にも私は高検検事長と公安調査庁長官をやっていたんですよ」と言い放ったという。

緒方重威という人物はこういう人間だったのである。

「総連を調査対象とする公安庁のトップを務めた人物が、総連の窮地を救った」と見ていた世間もまんまと彼にダマされていたのである。彼には初めからそんな気持ちなど微塵もなかったのである。

次に、もともと暴力団関係者が絡んだ地上げ等のダーティーワークに関与していた満井容疑者。1998年、強制執行妨害などの容疑で警視庁に逮捕され、退官したばかりの緒方容疑者が弁護を引き受けたのが縁で付き合いが始まった。

彼はバブル期にビル開発など東京都内を中心に地上げを進め「業界の風雲児」に。自民党の閣僚経験者に政治献金するなど、政界とのパイプも取りざたされた。

今回の事件で彼は、総連に対し「手元に自由になる金がない。総連で立て替えてくれないか」などと、報酬などの前払いを要求。自身の斡旋手数料として「代金の3%」に当たる1億500万円を求めた。総連からは計約4億8000万円が提供され、そのうち緒方容疑者は1億3000万円を受け取っていた。
 
二人は共謀して甘い蜜をすすり合った日々もあったが、ついには緒方容疑者と共に完全に法を踏み外したのである。

そして出資者勧誘役の河江容疑者。

彼は満井容疑者の知人で、賃貸住宅仲介会社幹部や就職情報会社社長等を経て、2000年に経営コンサルタント会社を設立、業界紙に紹介された。昨年9月「ハーベスト投資顧問」を実質的に設立。同社が総連本部購入の受け皿会社になり、緒方容疑者が今年4月、社長に就任している。

彼は5月26日に「最後の出資者」として紹介した男性投資家(41)を初めて緒方容疑者に会わせた。

「最後の出資者」氏とは、1994年にヘリコプター操縦士養成会社を設立し急成長。ベンチャー企業家としてテレビ出演するなどして脚光を浴びたが、死者2人を出した2000年の墜落事故を機に業績が悪化。その後、詐欺事件への関与などが指摘され、クレジットカード会社をめぐる民事訴訟で昨年、別の男性とともに東京地裁で約1100万円の賠償を命じる判決を受けた人物である。

何とも胡散臭いと思うのは私だけではあるまい。

その彼は今年5月、初対面の緒方容疑者に「約60億円の自己資金が海外にある。35億円はすぐに出せる」と豪語したとされたが、実際は「出資は難しい」と話し、河江容疑者も緒方容疑者と満井容疑者に「資金調達はダメになった」と伝えていたという。

しかし、緒方容疑者から「出資は確実」とする虚偽の報告書を作成するよう指示され、総連代理人の土屋公献弁護士(84)にも「確実に出資が見込める」と報告し、総連側に代金の支払いを信じ込ませた上で売買契約を結んだ。

少なくともこの時点で代金を支払う意思はなかったのである。

「ハーベスト投資顧問」に中央本部の所有権が移った事が表面化すると、地検特捜部は任意聴取に乗り出した。彼は緒方容疑者から「投資家の出資を信じていた事にしないとダメだ。このままでは逮捕される」などと口裏合わせを指示されたが拒否したという。

緒方容疑者に使われまくりだった河江容疑者。だが、彼は最後の最後で良心に目覚め、容疑を認める供述を始めている。彼の口から、さらなる事件の真実が語られる事を期待したい。



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Chaie<チャイ>

Author:Chaie<チャイ>
最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

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もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

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