「軍による強制」

文部科学省は日本史の教科書検定で、沖縄戦で日本軍による強制により住民が集団自決したとする記述すべてに「実態について誤解する恐れのある表現」と意見が付き、「日本軍に集団自決を強制された人もいた」が「集団自決に追い込まれた人々もいた」(清水書院)などに改められた。文科省は「以前から(命令や強制はなかったとする)反対説との間で争いがあり、軍の命令があったと断定するのは不適切で、今回から意見を付けた」と説明している。 

これに対し、集団自決からの生き残りである中村一男氏(73)は、座間味島で沖縄戦を体験した10歳の時、日本軍から手榴弾を渡され「米軍に捕まったら体のあちこちを切り刻んでじわじわ殺される」と聞かされ、「自決しろとはっきり言われたか記憶に無いが、暗に自決しろと言っているのと同じだ」と振り返った。別の家族が手榴弾で自決するのも見たと言う。

集団自決があった事に加え、住民を強制的に戦闘に巻き込んだ事、投降しようとした人を撃ち殺した事などはまぎれもない「事実」である。問題は、これが「日本軍による命令」だったのか、「現場の軍人や役人の意思」によるものだったのかという点である。また、極限の環境の中で集団心理が働いた面も否定できないだろう。集団としての意思の前には個人の意思は無いも同然の時代だった。

軍=組織的な命令行動だったという物証は無い。証拠が無ければ断定はできない。だから今回の措置は、事実は事実だが「軍の命令による」は削除したという事なのだろう。命令は軍ではないにせよ、同道した役人からだったかもしれないし、酷い目に遭う前に集団自らが死を選んだのかもしれない。いずれにせよ、誰もが「極限に追い込まれた」末の悲惨な選択だったのだ。

軍人ならずとも日頃から「鬼畜米英」「生きて虜囚の辱めを受けず」と叩き込まれ、敗色濃厚な極限の事態になった時、教えに従って手榴弾を使ったというところではなかろうか。投降しようとする人を撃ったのも、それによって集団全体が捕虜になるのを防ぐためだったのかもしれない。

だが、それらが住民の目には「軍の強制」と映ってたとしても仕方がない。難しい問題ではあるが、さまざまなブログで左翼論者が指摘している「歴史事実の捻じ曲げ」という程のものではないと思う。

逆に、これらの非人道的な行為を命令した組織の一員だったとされてきた旧日本軍の軍人の立場も辛いものだったと思う。軍を通して個人までもがいわれの無い汚名を着せられ続けてきたのである。

「南京の真実」という映画が話題の「南京大虐殺」や「慰安婦強制連行」などと同様、歴史はまず事実を検証した上で時代背景も斟酌しなくては正しい判断はできない。それは戦争という状況、昭和10年代という時代である。ちなみにこの時代は、売春は適法の商売だった。

「現代」の「平時」の「価値観」や「道徳観」で判断しても決して相容れないし、多くの場合、断罪の基準にもならない。歴史検証の鉄則である。




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Chaie<チャイ>

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最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

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