Long time no seeだけど・・・。
年賀状に書いたここのURLでこのサイトを見ていたそうで、やけに弾んだ声で独立しようと思っていると言う。聞けば、血糖値やHbA1cの低下に効果があるというインド産の健康食品の販売代理店(個人)の組織を作る仕事をするらしい。すでにアメリカでは医薬品として販売されているとも言う。
ここで何かイヤな感じがした。昨今幾度となく問題視されているマルチ商法が脳裏によぎった。彼にいくつか質問してみたところ、彼の回答からやはり構造的にはマルチ商法である可能性が出てきた。
マルチ商法(マルチレベルマーケティング)は、物品を短期に効率よく流通させるシステムとしては利点があるが、そこに「多額の収入が得られるビジネス」という面が強調されると一変してくる。そうなると自分自身が販売をするよりも販売する人間を集めた方が効率がいいので、友人知人などに声をかけ人集めに走る。時にそれは多くの友人知人を失うほどエスカレートする。
たとえ組織化に成功しても、その組織はごく少数のリッチとそこに収入をもたらす大多数のプアの集団が形成されるのである。プアはリッチと関わり合ううちに頑張れば自分もそうなれるという一種の洗脳状態に陥り、妙に感情がハイになり、本来必要ないはずの在庫の買い込みや借金も厭わなくなり、いずれ破綻の道をたどる。一見ノーリスクに思えるマルチ商法とはそんな危険性を含むシステムなのである。
今のところ扱い商品はこれだけらしいのでそこまで心配する必要はないと思うが、逆に単品では到底リッチにはなれないだろう。それでも将来的に大勢のプアを作り出し、自分だけがリッチになる事を夢見ているのなら、友人として断固反論せねばなるまい。
収入システム以外の件について、このDiaryを見ている彼に訊きたい。
①通常の栄養補給食品よりも対象者は限定されるが、それはどうやって見つけ、コンタクトをとるのか?
②ネット検索したらすでにHP等を立ち上げて宣伝活動をしている人が数十人いるようだが、待っているだけでそんなに注文が来るのか?
③そのWebsiteには「血糖・HbA1c低下」や「糖尿病に効果あり」という記載があるが、これは明らかに薬事法違反だが?
④この分野の専門家とは言えない医師に使用経験を発表させたりする事は健康食品業界ではよくあるが、不十分な試験デザインでの結果はエビデンス(証拠、根拠)とは言えないのでは?
⑤そもそもそんなに効果があるのなら、せめて「医薬品」の承認を取るべきだし、画期的な糖尿病治療薬として製薬企業が本気で開発してしかるべきだと思うが?
ヒマな時でいいから回答くださいませ。期待はしませんが。
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