カーリング・フリーク 2
だが、運命とは皮肉なものである。スイス戦では前半に大量リードを許し、第8エンドでトドメをさされ苦渋のギブアップ。一方のカナダはノルウェーに勝ったため、たとえ日本がスイスを下したとしてもタイブレークの芽はすでに無かったのである。
ここまでの道のりを振り返り、その結果を語れば、さまざまな要因が挙がってくるだろう。中でもスキップ小野寺選手の前半の不調が黒星先行の原因だったという指摘を目にした。だが、彼女は後半戦なるにしたがってミラクルショットを連発し、日本を勝利に導いた立役者でもあるのだ。特にイタリア戦での奇跡の一投がなければ望みはつながらなかったのである。
オリンピックという特別な舞台で、ここまで健闘した日本女子チームにこれ以上何を望むと言うのか。戦前は他の種目に比べてもほとんど注目も期待もされてなかったじゃないか。
取材に答えて彼女は言った。「準決勝に進めずに悔しい思いもありますが、強豪チームとも対等に戦えて、この4年間カーリングをやってきて良かったです」
終始安定したテクニックを披露した林選手も「準決勝には進めませんでしたが、手応えをつかむ試合ができたし、カーリングの魅力を日本全国の皆さんに知ってもらう事ができたのではないかと思います」と話した。
そうだ、それでいい。少なくとも私にカーリングの面白さ、奥深さを教えてくれのは、まぎれもなく彼女たちだ。他でもない彼女たちの奮闘ぶりが私をカーリング・フリークにしたのである。私はそれで十分だ。
幸いな事に日本チームは外国チームに比べて平均年齢も若い。4年後のバンクーバーでさらに大きな華になればよい。
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