いよいよ年金世代
これまで実家では母親の作った純江戸風の雑煮(焼き餅、鶏肉、蒲鉾、小松菜のみのソップ炊き)をブランチに、遅めのランチにすき焼きが定番だった。今年もカミさんはいつもの元旦勤務だし、息子一家も来ないので私一人なので、お雑煮だけで良いと伝えていた。
妹からLINEで「例によって母親の物忘れが進んでいるから、お雑煮の出汁も作っていない可能性があるから言ってやって」とあったので、雑煮を食べるとなった時に「お雑煮の出汁はゆっくり作ればいいからね」と敢えて言った。
母親は「分かってるわよ」と言った後、「お餅は何個❓」と訊くので「3個で」、「玉子は入れる❓」「入れて」と言って、私は黙ってTVのニューイヤー駅伝を観ていた。
しばらくするとまた「お餅は何個❓」と来たから、「3個だよと」と言うやりとりを都合2回して、その後お雑煮が到着。
見ると、出汁の色こそ醤油色なものの、味が全く違う。鶏肉が入ってないから出汁も出ていない、単なる醤油味の吸い物みたいな単純な味。しかも小松菜も無く、玉子も入れ忘れていた。
代わりにおでんの揚げ物を切ったものや笹かまぼこみたいなものが入っていた。焼き餅はかろうじて3個入っていたが、これまで食べて来た母親の雑煮とは別物に変わり果てていた。
鶏肉や小松菜を入れるのを忘れたとも言っていたが、この変わり果てた雑煮の味に愕然とし、同時に哀しみを覚えた。
いくら物忘れがあろうと、長年に渡って作り慣れた雑煮すら満足に作れなくなったというのか。記憶が曖昧でも身体が覚えているはずでは❓
まあいい。それでも物忘れ以外には今のところ日常生活を送るには支障がないようなので、緊急事態に陥ってはいないようで、そこは少し安心した。
既に姉と弟を亡くし、母方一族で一人だけとなった母親だが、一方で女子大時代の同級生達はまだまだピンピンして活動的だというから驚く。もちろんどの家もダンナはとっくに亡くなっているから、やはり女の方が長寿が多いなと妙に感心したりする。
帰宅すると、また今年も中学校の担任の先生から年賀状が届いていた。不祥の教え子はそれが届くと分かっていても、年内に賀状を書くのを無精して、元旦に賀状を見て返事を書くという無礼を性懲りも無く繰り返している。
その先生も今年卒寿を迎えるそうだ。
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