今度もダメっぽ
かねてより医薬品の自動発注システムの誤差が欠品や過剰納品を生じたという苦い経験を持つ私は、売れ筋の主要な医薬品ともともと手発注だったドリンク剤と一緒に毎回手発注でカバーして来た。
それが自分の勤務日の納品量が増える事が気に入らないのだろうか、N先生は、記録として残している私の発注リスト表を見て、ダブリやバックヤードに在庫があるものにマークをして、それを確認して手発注を控えるべき旨を連絡ノートに書いて来た。
数十個のダブリ発注ならまだしも、数個のダブリなんて誤差範囲だし、何より欠品を来すより遥かにマシである。もし発注品をバックヤードの在庫で見たのなら、鬼の首を獲ったかのようにリストにマークするより売り場に出してくれよと言いたい。私だって全在庫を一品目単位で記憶するなんて出来ないんだから。
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さらにN先生の勤務は夜型なので、店舗の閉店まで勤務時間となる日が週に2日ある。そのうちの1日は前半が私、後半をN先生にバトンタッチする日である。ところがN先生が閉店まで勤務した次の日の朝、私が出勤すると決まって売り場が荒れているのが目につくのだった。
つまり、前出しなどの棚の整頓が疎かになっているという事である。私が開店前に来る日は私が再整頓も出来るが、開店1時間後に来る日は荒れた売り場のまま、少なくとも1時間は営業している事になる。薬剤師としてそれは看過出来ない。一商人としての矜持も許さない。
そこを連絡帳に丁寧に書いてお願いすると、「自分はやってはいるんだけどねぇ」というつれない返事が書かれてあった。だが遅番のスタッフからはN先生は閉店すると直ちに帰ってしまうと。ならばそれまでに棚の整頓くらいして帰って欲しいのである。ウチに来る前の店舗では私と同じ常勤の店舗管理者の薬剤師だったのだから、その辺りは十分心得ているはずだろうに。
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こういった指摘が年上のN先生のプライドを刺激したのだろうか。それ以来、前半後半でバトンタッチする情報交換に持って来いの日の会話もほとんど無くなり、ただ「それじゃ」と言って交代するだけになった。
N先生の勤務時間にいる他のスタッフによれば、仕事の合間に「これは私の仕事じゃないけどねぇ〜」とか「今日は疲れるんだよなぁ〜」とか、愚痴だか何だかを言いながら過ごしているらしい。
それら諸々の見聞から、N先生は前任のU先生と同じ臭いがすると第一印象で感じたカンは正しかったのかもしれない。年代もU先生と同じだし、やる気を疑う言動や大手メーカー出身を引き摺っているのも同じだな。おまけに棚メンテのお願いへの反応もU先生と同じと来たモンだ。
ま、そんな歳にもなれば何を言っても変わらないだろうし、こちらも言う気は失せた。どうせ私の方が先にここからいなくなるのだろうから、後は私の後任者と宜しくやってくれりゃいい。
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