五輪雑感
日本は金3、銀6、銅9の計18個で、これは冬季オリンピック最多記録となった。
金メダリストは、平野歩夢(スノーボード男子ハーフパイプ)、小林陵侑(スキージャンプ個人ノーマルヒル)、高木美帆(スピードスケート女子1000m)の面々。敬意を払うと共に心からおめでとうと言いたい。
また、オリンピックの舞台で4回転アクセルに果敢に挑んだ羽生結弦や初出場で銀メダル獲得のフィギュア男子の鍵山優真は見事だった。
フィギュア女子も低年齢化によるトリプルアクセルなどジャンプ重視の中にあって、構成力で銅メダルを獲得した坂本花織は「華麗な演技」という言葉がピッタリだった。
女子カーリングも前回の平昌オリンピックの時よりも興味深く競技を見られるようになったし、お馴染みロコソナーレの面々にも親近感を覚えたし、その技術力の凄さにも驚かされた。そして何より初の銀メダル獲得を讃えたい。
そんな数々の成果の陰で、残念なシーンもあった。
スキージャンプ混合団体で高梨沙羅がスーツ規定違反で失格‼️ 彼女の着用していたのは個人戦と同じスーツで、その時は何もなかったのになぜここで❓
女子パシュート決勝で金メダル目前だった最終コーナーで高木菜那の転倒‼️ 雪辱を期した女子マススタート準決勝でまたも最終コーナーでトップの高木菜那が転倒‼️ この瞬間、彼女の連覇が潰えた。
女子フィギュアのカミラ・ワリエラのドーピング。昨年12月の検体にトリメタジジンが認められた。だが、彼女の15歳という年齢に配慮(❓)してスポーツ仲裁裁判所が演技を許したという不可解判定。
SNSあたりではそもそも中国で開催された事が問題だったという指摘もあった。重大な人権問題を抱える国で平和の祭典を開く事は率直に疑問を覚えるが、そもそも近代オリンピックは政治的な思惑を孕みつつ興行的な面が色濃いというのは、習近平にやたらに親近感を示すIOCバッハ会長の態度でも明らかである。
昨年の東京オリンピックの時は組織委員会のゴタゴタや予算の大幅超過、パクリ問題など開催国の内側からの視点でさまざまな問題点が指摘されたが、今回は開催国の外側からの視点で問題点が浮上した。結局は多かれ少なかれオリンピックの政治利用という側面はもはや必然である。
こういう現実を見るにつけ、今後は両手を上げてオリンピックを招致する国もますます限られて来るだろう。IOCが開催国を手挙げ方式から個別交渉方式へ変えたのもその危機感からかもしれない。
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