withコロナの提案
ここまで節制と我慢を強いられて来た国民、とりわけ酒類販売が目の敵のように長期間に渡って規制されて来た飲食店などは、その取引先も含めてもはや乗り切る体力も残っていないような状況である。
このままでは感染防止策の名の下に日本経済が瀕死の状態に落ち込む危機が迫っている。
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新型コロナウイルス。
クローズアップされて1年半で国内累計感染者数が80万人強、統計上は未だに国民の99%以上が感染すらしていない感染症なのである。累計死者数は1万5000人弱で全感染者の中のわずか1.8%である。それも高齢者が殆どで、見方を変えればたまたま寿命を迎えたり持病が悪化したと見られる例もある。
一方で季節性インフルエンザ感染症。
毎年1000万人前後が感染し、それを直接的死因とした死亡者数は毎年3000人強、間接的死因とした死亡者数は毎年約1万人である。
ただ、新型コロナ感染症の場合は感染者数こそ少ないものの、感染すれば重症化して死に至る例や後遺症が長引く例もあり、そこがワクチンに加えて治療薬が普及しているインフルエンザ感染症とは異なっているぶん脅威と言えよう。
だが、この日本では毎日3800人程度が何らかの原因で亡くなっているという事実がある。しかも新型コロナ感染症による直接的な死因とされる肺炎は、「悪性新生物」「心疾患」「脳血管疾患」に次ぐ第4位、約11万2000人である(厚労省 2020年)。
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既に数種の変異株が認められている新型コロナ感染症をゼロにする事は全世界的にも不可能だろう。
だとすれば、どこかの時点で「withコロナ」を決断する時が来るのではなかろうか。でなければ、このまま経済を抑え込めば新型コロナ以上にもっと深刻な事態に日本が陥る事は想像に難くない。
無観客開催を決めた東京オリンピックに対し、日本よりも感染者数の多いヨーロッパに於いて「EURO2020」のように大規模なスポーツイベントが観客を入れて開催されている。
これはどういう事か?
ダイヤモンド・プリンセス号事件で話題になった岩田健太郎氏はFLASH誌の取材に以下のように述べている。
「イギリスはもう『コロナと共生していく』と態度を決めました。ワクチン接種率はかなり高いですが、毎日新たに3万人近い感染者が見つかり、毎日300人ほどが入院している。死亡者も人口10万人あたり、年換算で10人ほど出ています。
それでもガンや心臓発作に比べれば死者の割合はそれほど大きくないから『あきらめましょう』と決めたという事です。これがいいか悪いかは、価値判断の問題だと思います」
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迂闊に現政権がそんな決断をしようものなら、待ってましたと言わんばかりに野党や国民から「人命軽視だ」の大合唱が沸き起こるに違いない。
言わんや選挙を控えた与党をや。そんな勇気を持った政治家なんておそらく皆無だろう。
ならばこの闘いの終着点は何処だと言うのだろうか。ワクチンが出来、治療薬が出来、それによって感染者数が何処まで下がれば終わりと言うのか。今後さらなる変異株が出現したらまた逆戻りさせるのか。政治家ばかりでなく専門家達にもその着地点は見えているのだろうか。
決断の時は近づいている。
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