ダブルがんサバイバー
また戻って来ちゃったな。いっそリバースしなけりゃマイケル・ジャクソンのようにスーッと逝けたのに。
まだ生きて役に立てとの思し召しかな。
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これが2週間前、場所はICUだった。
すぐに腹部に腹筋酷使後みたいな違和感を感じたので、やはりラパロ(腹腔鏡手術)では術野が確保出来ず、開腹手術に移行したなと悟った。
直ぐに撮られた造影CT。担当医師が造影剤ラインのための針刺しが下手の何の。両手に4ヶ所も刺し直すモンだから、思わず「…ヘタクソ」と言っちまった。
ICUで一泊した後、元の病室へ戻る。開腹手術体験記などでは初日の夜などは痛みで眠れないなんて書いてあったけど、黙って寝てれば痛みはほとんど感じないのは嬉しかった。肝機能のせいで血小板数が基準以下だったので、硬膜外麻酔が回避され術後のエピはない。代わりのIV-PCAがよく効いたので安心だった。
翌日は歩行練習。さすがに腹筋痛でなかなか歩けないが、これも血栓予防なのだから仕方ない。前後を看護師さんに支えられながら病棟を一周。明日からは自分で少しずつ歩く事になる。
3日目に術創部のテープが剥がされ、そこにフランケンシュタインかターミネーターかというホチキス止めが現れた。正中線18cm✖️右腹側23cm、ホチキスは32個だった。
この時点で身体に繋がれているラインはIV-PCAの他にメインのIVライン、ドレーン2ヶ所、そして尿カテだった。この尿カテについては、過去の経験から術前に細いものにしてくれと懇願していたのが叶って、違和感もなく実に快適だった。
また、ラインではないがパルスオキシメーターを指に着けているが、その値が90台前半とか90を切るとかになり、なかなか上がって来ない。息苦しさは感じないが、腹筋痛もあって深呼吸も出来ないから肺がまだ広がりきっていないのかもしれない。これも侵襲の一つだろう。
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このまま回復に向かえば良いと思っていたが、ここで問題が。
一つは栄養補給のための医薬品「アミノレバン」。毎食時に水に溶かしたものを200ml飲むのだが、これがなんとも言えない不味さ‼️ 2杯飲んでギブアップ‼️ ついに栄養士さんに別の栄養ドリンクに替えてもらった。
もう一つは術後の血栓予防のための抗凝固薬。何とこの病院は14年も前に発売された皮下注製剤「クレキサン」だったのである‼️ 前社で競合品として戦って来たこの製剤が、経口薬もある現在でもいまだに現役で使われているとは‼️ 朝晩打たれ、しかも痛い。これが一番厄介だったわ。
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術後4日で2本のドレーン抜去。初便通あり。5日でIVライン抜去。この頃から腹部が何かに圧迫されている感じがして食欲が湧かない。Drは術後の腹水のせいだろうと言うが、これが腹水による圧迫感なのか消化器の膨満感によるものかがハッキリしない。仕方ないので、喉を通りにくい固形物を避け、売店で買って来たヨーグルトやゼリーを食べるようにした。
結局この圧迫感は、程度こそ軽くなるも退院まで続いた。元々病院食が超苦手で、それでも入院ダイエットになるからと空腹を我慢する入院生活だった私。今回の入院でも食事量が少ないことを気にする看護師さんに、食事以外に食べた物を伝えつつ、いかに誤魔化すかに苦心した。なあに、退院すればちゃんと食べますから(^^;)
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最後の2〜3日は毎日ほぼ変わらないルーティンで食事、服薬、昼寝、回診などで過ぎて行った。痛みも殆どなく、ほぼ予定通りの術後2週間の退院となった。外はいつの間にか桜が咲く季節となっていた。
お腹にはまだホチキスが残り、月末のフォロー外来にて抜去するので、それまではまだ腹部に違和感を感じて元に戻った気にはなれない。その日までは「日にち薬」第二幕なんだろうな。
それにしても、これまでの網膜剥離や膀胱がんでの外科手術とは異なる本格的(?)な開腹手術は、術創部だけでなく全身に様々な侵襲を及ぼす事が分かった。医学書に、外科手術は高齢者には負担が大きいと書かれている意味も実感した。
ともあれ、世にも珍しい(かどうかは知らないけど)膀胱と肝臓の2ヶ所の原発がんを抱えた「ダブルがんサバイバー」が誕生したのであ〜る‼️
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