生生流転
思い返せば今年は膀胱痛に悩まされながら迎えた最悪のスタートとなった。
去年のクリスマスの頃から痛み出し、元旦は実家に行ったはいいけど動けず、勤務店舗のリニューアル工事期間も自宅療養、遂には2月に初めて病院のペインクリニックを受診するまでになったが、結局痛みの原因も分からず、有効な治療は得られなかった。痛みを堪えて出勤出来ても、ただひたすら痛みに耐えながら時間の過ぎるのを待ったものだった。
4月の声を聞いたあたりでようやく寛解して来たものの、その前後は新型コロナ騒動の煽りを受けてマスク欠品、消毒薬欠品、そしてトレペ&ティシュ欠品の嵐に苛まれた。
半ば感情的に品物を求めるお客さんと満足な量の納品など望めない現状との間で板挟み状態になりながら、DgSスタッフは皆心身をすり減らした日々が続いたのだった。
今年の前半はこんな具合になんだかなぁ〜で過ぎて行った。
だから痛みが治まった今は、普通の体調でいるという事がどれほど有難い事なのかが身に染みて感じられる。
これも人生経験の収穫と言えるのかもしれないけど、正直あの日々だけはもう二度と繰り返したくない。
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夏はマスクとの戦いだった。
会社からスタッフのマスク着用指示が出ても、小学校の給食の時以来マスクなんて着けた記憶のない私は最後まで抵抗を試みていたが、スタッフだけでなくお客さんの殆どが着用するに至り、最後は同調圧力に負けて着用する事にした。
毎日の事だから使い捨てタイプは面倒だし、不織布の肌触りも不満だったので、通気性の良い布マスクを色々試してみたが、折からの品不足もあってこれというものがなかなか見当たらない。
遂にはカミさんオススメのスポーツウェアメーカーが作ったという2000円超の高価マスクに辿り着いたものの、それでも暑い季節にはそのマスクを着けていても不快この上なかった。
そんな日々にあって、6月に車を替えた事と8月に二人目の孫が生まれた事くらいが喜ばしい出来事ではあったな。
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秋は人間ドックで肝腫瘍が見つかり、そのまま大学病院で検査、入院手術の手続きを行なった。まさかこの身に2つもがんを抱えるとは思わなかったけど、肝臓にがんが出来る可能性はそれとなく覚悟はしていた。
今回も膀胱の時と同じく早期発見だったので切除術で完治が見込めそうなのが不幸中の幸いだった。なあに、入院手術なんて膀胱がんで何度も経験して来たから慣れたモンだわ(^^)
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そして心もしんみりして来る年の瀬を迎える。
最近常々思うのは、連日新型コロナ感染症による死者だけでなく、事故死や自死のニュースも流れるのを観ながら、人には必ず死が訪れ、その理由が病気であれ、事故であれ、それがその人の寿命なんだと妙に納得している。
そして死んだらその人の生命活動はそこで一切が終わり。未練も悔いも何も残らない。あれこれ思うのは残った人達だけである。
だから人は徒に死を恐れるのではなく、どうせいずれ来る終わりの時までは生き続ける事さえ意識していればいいと思っている。
毎日が最後の日と思って一生懸命に生きるなんて聖人君子のように構える必要はない。ただただムダな時間を過ごして終わる日もあっていいし、時には生きてて良かったと思える瞬間に出会う日もあっていい。
それらをひっくるめて人生なのだから。
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