これが私のパートナー
その最初の公休日に挨拶を兼ねてパート薬剤師のU先生に会いに行った。
私より4つ年上のU先生は、私と同じに製薬企業出身で、あるOTC製品の開発に携わった経験があるという。その企業にいた大学の同級生の話をしたら、果たして彼をご存知だった。それもまた奇遇だろう。
U先生の趣味は剣道で、その関係で出身企業にも通っているという。前任の常勤薬剤師M先生が無趣味だった事を盛んに嘆いていた。
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そのU先生からM先生の仕事ぶりについてコメントがあった。
曰く「彼は穏やかで物腰も柔らかく」「休憩時間も取らずに」「休日出勤もたびたび」「メーカーの発注お願いも受け」「在庫管理と整理が苦手」な先生だったと。
M先生と引き継ぎした時に、M先生はこれまで10店舗以上転勤して来たと言っていた。このお店にもわずか1年の勤務だったと。ひょっとしたら本部から見たら何かと使い勝手の良い薬剤師と映っていたのかもしれない。
管理と整理が苦手というのは売り場とバックヤードを見ればすぐに分かった。棚上棚下のストックスペースは製品分野お構いなしに雑然と突っ込まれ、ほとんど満杯で余裕のない有様。ストックスペースもバックヤードも前店以上に狭いこの店でこれでは、送り込みなどの在庫を置く事すらままならない。
初日に売り場の前出しと棚のメンテを済ませた私の次の仕事は、このストックスペースの後始末となった。
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このお店のローカルルールには、薬剤師であっても優先レジ応援の時間帯というものがあり、その時はコールが鳴れば真っ先にレジに駆けつけなければならない。また、私の担当は今までの医薬品、衛生用品、健康食品に加えて介護オムツ類とカロリーメイトやゼリーなどの機能性表示食品類であり、納品日にはそれらの品出しもしなくてはならないので想像以上に振り回されてしまう。
勤務初日はいきなり納品日だったので、あれやこれやの慣れない仕事に気が付くとすでに夕刻になっていたりして、接客に関する薬剤師業務がほとんど出来なかった。これでは本末転倒なので、追って店長に相談しようとは思っている。
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さて、在庫の整理は棚上棚下に突っ込まれていた製品を出来るだけ売り場にストックダウンし、製品分野毎にそれぞれの棚下ストッカーの中身を入れ直し、同時に可能な限り棚上の在庫スペースも空けるようにした。もちろん途中に接客やレジ応援もあったので、何とかサマになった頃には早くも勤務時間の前半終了。
在庫整理やストックダウンなどの業務に関してはパートのU先生もまるでノータッチ。前出しすらしている様子もない。週3日ある納品日はいずれも公休日。なので出勤すれば終日接客だけしていれば良いワケだから、そりゃ顔なじみのお客さんも出来るだろうし楽だろうよ。前店のパート薬剤師のT先生は勤務日の1日は納品日にしてくれていたのとは大違い。
この先、大掛かりなPOP差し替えや棚替え、棚卸しが控えているが、たぶんU先生はそれらに対してもノータッチの構えだろう。せめてどこかでサポートはお願いしたいと思っているが。
他の社員スタッフに訊いても、U先生は話し好きだけど、前社で今も販売中の製品を開発をしたというプライドがあるようで、OTCの経験年数の割に接客以外の細かな業務はタッチして来なかっただろうと言う。もしかしたら棚替えどころかPOP一つ印刷出来ないのかもしれない。
プライドなんて仕事が変われば過去の遺物に過ぎない。私だってこれまでの製薬企業人生を通じてプライドのカケラ位は持ってはいるが、そんなものは今の仕事には全く無用の長物でしかないので、とっくに封印している。
そもそも地味な仕事の多い小売業に企業サラリーマンのプライドなんて持ち込んでちゃイカンでしょ。
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ともあれそんなU先生が私の新しい薬剤師パートナーである事は確かである。お互いの人間関係を良好に保ちながらやって行くつもりでいる。
郷に入っては郷に従えとは言うが、新たな環境は心身共に何かと負担が大きい。まあ、ここしばらくは敢えてこの仕事内容、仕事量の流れに乗ってみて、そこからジワジワ変えて行こうかと画策している毎日である。
そうそう、帰宅して気が付いたけど、5年ぶりに向こう脛からアキレス腱あたりが痛くなってたわwww
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