また出た!
瞬間、意外にもその言葉を淡々と受け止めている自分がいた。
「ふぅ… また出ましたか。いよいよ年貢の納め時ですかねぇ」
「あれだけ画像や生検をしても見つからないのに細胞診で出て来る。がん細胞はどこに潜んでいるのか分からない、そういう患者さんはいますよ」
確かに去年、尿細胞診で初めてclassⅤが出た後に、入院までして膀胱内だけでなく尿管まで組織を採取して検査したのに見つからなかった。その後の尿細胞診でもclassⅢまでしか出なかったのに。
前々から、今度再発したら膀胱全摘も止む無しと腹を括っていたので、T先生にその旨を告げた。
「今後の再発のリスクや長引くこの痛みから解放されるなら、いっそ取ってしまう覚悟は出来てます」
T先生はそれを即否定するかのように少し軽い口調でこう言った。
「いやいや、まだそんな段階ではないでしょうね。何か明確な組織像が出るまでは引き続き尿細胞診やCTなどで追っていきましょう」
という事で、来月に再度尿細胞診を行なう事になった。その時にはまた引っ込んでいるかも知れないが、少なくとも今日の段階では、自分で勝手に想像していた「痛みと引き換えのリンパ球などによるがん細胞攻撃説」は当てはまらなかったようだ。
とすれば、ここ数ヶ月間悩まされている排尿後の針刺痛の正体はいったい何なのだろう。
先日、ペインクリニックのK先生も見当がつかないと言っていた。もしこれががん性疼痛の類いだったらあるタイミングで痛みが出て来るような事はないし、精神的要因もなさそうだし、もちろん細菌性の膀胱炎なんてとっくに終わってるし。
そのK先生の今度のレシピはトラムセット+ボルタレン坐薬。常時ある痛みではないため神経ブロックを適用するのも妥当ではないので、当面は鎮痛薬で試行錯誤していくしかないと。私も同意だった。
朝、1回目のトラムセット服薬後にボルタレン坐薬を入れて家を出る。職場に着いて最初のトイレまでは順調に仕事が出来る。
新型コロナ禍が増大している東京都で、ようやく小池都知事が週末の出歩き自粛を宣言した。そのおかげで昨日のウチの店は開店後から丸3時間も3つのレジがフル回転してもお客さんの列は途切れない大混雑だった。周りのスーパーもまるで暴動が起きたかのように多くの買い物客が押し寄せていたようだ。この時間帯のスタッフは私も含めて3人しかいなかったので、当然応援レジに入ったが、ひと段落するまで3時間もトイレに行けず、2回目の服薬も定時に出来なかった。
が、遅れてもトイレ後から痛みが出るのは変わらない。その痛みの程度が気候のせいもあるのか、やや弱くなった感じはするものの、医薬品相談カウンターで基本姿勢をとって痛みが治まるまでやり過ごしている日常は変わらない。
原病も現状もまだまだ落ち着いてくれないな。
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