も〜い〜かい?ま〜だだよ!
発症したのはクリスマス後あたり。すぐに病院は年末年始の休診というアンラッキーな期間だったので、その間はOTCの膀胱炎治療薬と多飲&多尿作戦で凌いでいた。最初は排尿頻度や排尿量も増えて菌を洗い流している感も得られたが、それでも無症状には至らなかった。
過去の経験から膀胱炎の痛みにもいろいろ種類があると知っていた。
まずは排尿時の尿が尿道を下りてくる時の痛み。閉じた道をまるでメリメリと押し広げられるような痛みは、酷い時は排尿直前にピークを迎えるから、思わず「う〜っ」と呻いてしまう。痛みの強さは別としても膀胱炎の主症状である「排尿痛」である。
対して、排尿後は膀胱の収縮に伴う痛みが生じ、ツーンとした強い痛みが走るから、それが終わるまでしばらく便座から離れられない。いわゆる「膀胱痛」である。
そして一番辛いのは、その膀胱痛の最たる痛みと言ってもいい、膀胱に針を刺されるような鋭い痛みが断続的に走る「針刺痛」である。これが出るとたちまち身体の動きが止まり、その場で堪えてやり過ごすしかない。だが、それが自宅で横になっている時にも唐突に出て来る。夜間に出ようものなら横になって寝ていられなくなる。
仕事中に出た時と同様にテーブルに両手をついて足を開いて立ったまま、数十秒毎に襲って来る飛び上がりそうな痛みを歯を食いしばってやり過ごしながら朝を迎えた日も少なくない。
いい加減にそれを繰り返していたら、だんだんそれが現れる場合の周期らしきものが分かって来た。日中は正午前後あたりから、夜間も午前0時より前から出始め、痛みが落ち着くまで数時間を要する。落ち着くまでは横になる事も出来ずに悶々とした時間を過ごすしかないから、ある意味地獄の時間帯となっている。膀胱内に尿が少し溜まると針刺痛が生じるから寝落ちもままならない。
もちろん、その時間帯以外に突発的に出現する事もあるが、この手の痛みは経験の無い人には実感としてピンと来ないと思うから、ひたすら孤独に耐えるしか無いのである。
この強烈な針刺痛は過去にも幾度となく見舞われた。それはBCG膀注療法の副作用によって強制的に惹起された膀胱炎で、その程度は確かに重症の部類に入るから、今思えばかなり強い痛みが現れてもおかしくはなかった。それだけ膀胱が痛めつけられた訳だから。その痛みのために休みがちになり、遂には休職を余儀なくされた事もあったし。
だがそれも2年前にとっくに終了し、昨年11月の検査入院でも組織的な異常は見られなかったのに「なぜ今ここで?」という気持ちで一杯だ。
例え朝方痛みも少なく調子良さそうに思えて今日こそはイケると出勤すれば仕事中に、さりとて自宅で横になって安静にしていても大抵は直前の排尿をきっかけにそれが現れると、痛みと共にそれ以上の失望感に苛まれる。「ああ、また来てしまったのか」と。これまで耐えて来た時間も報われなかった落胆、涙さえ出て来る。
こんなふうに淡い期待を抱いてはあっさり裏切られる日々を送っていると、確実に心が削られるのを実感させられると前回の記事にも書いた。
何も心配せずに時の過ぎゆくままに安静にしていられる日々を送れるならまだしも、医薬品関係の発注納品作業だけでなく薬剤師ならではの接客業務と、もはや慢性人手不足の職場への責任の狭間で少なからぬプレッシャーを感じるばかりである。
例えその日が公休日ならずとも「明日こそ行かなくちゃまた迷惑を掛けてしまう」「この症状が果たして明日は治まってるのかな」「行ったら行ったであの地獄の時間帯を過ごさなければならないのかな」と怯えつつ、一日も早く元の身体に戻って仕事に就くべきというジレンマを抱えている自分がいる。
まして今は下旬から店舗の改装工事が入り、その後のリニューアルオープンを控えている慌ただしい時期なのだ。訊けば、改装作業に入ってしまえば商品の撤去や再陳列は業者が行なうという事らしい。逆に言えばスタッフの出番はほぼ無いと言っても良いので、その期間に休みを取る事はさほど難しくはない。とはいえ、いくら何でもこんな痛みの日々をそこまで長引かせたくはない。
そんなこんなで、自分で自分の身体の状態や予後が分からない事が心の負荷の蓄積となり、遂にそれがオーバーフローしそうな予感すら覚えて来た。あ〜、いかんいかん。
「止まない雨はない」「明けない夜はない」と言われるが、一体いつまで待てばこの闇夜が明けると言うのだろうか。
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