サンプリング終了
今回は治療目的のTUR-Btではなく、手技は同じだが膀胱内部と腎に繋がる尿管の組織のサンプリングにより先日の尿検細胞診で見つかったclassⅤの異型細胞の居所をサーチする検査目的だった。もしかしたら新たに採用されたという2mm径の尿管用の極細内視鏡の試験台も兼ねてかもしれないけど。(^^;)
主治医のT先生が万一忘れているといけないので、術前日に術後の尿カテはいつものように細いものを使って下さいと念を押していたのに、実際に装着されていたのは前回までのものよりランランク太いものだったのが唯一の不満だった。きっと前回使ったケージ数を忘れたな。
それでも初めてTUR-Btを経験した病院で入れられたサイズのものよりもまだ細かったから、あの夜をまんじりともせずに過ごす事を強いられた挿入部の痛みを伴った感触と不快な違和感には遠く及ばず、まだまだ許容範囲だったから、まあ許すとしよう。(^^)
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いずれにせよ片手に点滴ライン、真ん中に尿カテと、ベッドに横になっている体位にも自ずと制限がかかるため、マットの硬さとも相俟って脇腹や腰のあたりが痛くなり、ウトウトしても短時間で目が覚める。それでなくても脳外科と共有病棟なので、夜中に呻き声やナースコール無限連打などの音でも起こされるから堪らない。入院するたびに大なり小なりこういう患者さんがいたから、これは脳外科患者さんのpost stroke症状なのかもしれない。
かといって昼寝しようとしても血圧体温測定、点滴交換、食事配膳、室内清掃、主治医や薬剤師とひっきりなしに誰かが入って来るのでおちおち寝てもいられない。廊下では夜間のナースコール無限連打の婆ちゃんが大声で何か喋ってるし。実は入院生活って決してのんびり落ち着いてはいられないのだ。
結局ほぼ一日中横になってはいるものの、その実ジワジワと睡眠不足が蓄積されるというハメになるのだった。
今回は術後三日目に尿カテを抜くのでいつもよりも一日ほど早いのだが、抜いた後に身体を曲げ伸ばししてもなぜか左腰の辺りだけがシクシクとした痛みが残った。確かT先生が、左の尿管に内視鏡を入れた時、右よりも出血を見たと言っていたので、たぶんそのせいと思われるが、なまじこの部分の痛みゆえに急性腎炎か水腎症の発症かと一瞬ドキッとした。
毎回術後に入れてもらうボルタレン座薬で間も無く鈍痛は治まったので、膀胱炎の極期の強烈な針刺痛にはあまり効かなかったボルタレン座薬もこのくらいまでの痛みには十分奏功する事も改めて体感したから、今後のペインコントロールのための目安が増えたのは有意義だった。
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というわけで、今回の入院手術は検査目的だったため侵襲も少なく、予定よりも一日早く退院出来たので、職場復帰予定日の前々日と前日をゆっくり自宅で過ごす事が出来た。やはり自宅のベッドは嬉しい。病院のベッドに比べて遥かに身体に負荷がかからないから心身共に癒される。死ぬ時は自宅のベッドで死にたいという声はこんな理由もあるのかもしれない。
安心してばかりもいられない。今度は組織サンプリングでclassⅤの居所が掴めたとしても、それをどう排除するかという治療戦略が問われる事になる。T先生は膀胱は相変わらず綺麗だったと言っていたから、居所は腎に繋がる尿管かもしれない。とすれば尿管転移という事になり、良くて放射線や尿管切除&吻合、悪けりゃ腎ごと摘出となる事も考えられる。
サンプリングした組織には既にclassⅤは消滅していたなんて夢も見たが、こちらが何をどう夢見ようが、近いうちに冷酷にも断は下される。いずれにせよ膀胱全摘が免れても今度は片腎全摘の可能性が出て来たと言えるが、全ては次回の外来での検査結果を踏まえたT先生の意見を待つ事となった。
どうやら行く道にまた霧がかかって来たかな。
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