還暦過ぎてアリス初参戦!
🎵屋根の上に光る玉ねぎ〜
武道館の屋根のギボシを見るとついこの歌を口ずさんでしまう。
梅雨入りした東京、あいにくの蒸し蒸し雨模様だったが、一歩一歩会場に近づくにつれ気持ちがフツフツと燃え始める。これがコンサートの魔法なのかもしれない。
開場までにはまだ数十分あるのが、すでに公式グッズ売り場のテントには人々が群れていた。その先の入口付近には降ったり止んだりの雨を避けるように開場を待つ人々が建物の下に群れていた。
いやぁ〜、それにしても周りを見渡す限り、観客の年齢層は私よりも確実に高い。友人を介して私が彼らを知ったのは1973〜4年頃、彼らの自作ではない「青春時代」を歌っていた頃だった。その後、カバー曲「今はもうだれも」で一躍注目され、深夜放送「セイ! ヤング」の谷村新司のDJを聴きながらファンとなっていった。だからかれこれ45年以上のファン歴なのである。
そんな私よりもここに来ているファンが高齢という事は、あの時代の彼らをほぼ同年代で知ったという事なのかもしれないが、正直言ってこの光景はまるでどこぞの演歌コンサートみたいな風情だった。
🎵養老院サンバ〜! ←分かる人しか分からないだろーな (^^)
・・・・・・・
私のシートは南西スタンド。ステージを少し上から俯瞰する高さだが、正面からややベーヤン側の非常に見やすい位置だった。隣の南エリアはどうやらスポンサー企業などの招待席の模様。なぜか場違いな背広姿の年配者ばかりが開演直前にゾロゾロと。
そしていよいよ開演のブザーが鳴った。
オープニングは「LIBRA」と「BURAI」。先日のNHK「SONGS」でも驚かされた、70歳にしては十分過ぎるほどの声量がスピーカーから轟く。でもこの2曲はまだ前菜に過ぎない。
メインはいきなり来る‼️
「今はもうだれも」「冬の稲妻」「ジョニーの子守唄」「君のひとみは10000ボルト」「涙の誓い」「夢去りし街角」と、この全ての曲のフルコーラスを覚えている私には、実に素晴らしい生アリスの生カラオケタイムだった。スピーカーのボリュームが大きいので、声を振り絞っても周りの迷惑にはならないのをいい事に思い切りシャウト‼️ シャウトしながらいつしか涙ウルウル。確実に魂が揺さぶられている。
「愛の光」「知らない街で」「走っておいで恋人よ」まで生カラオケタイムは続く。思えば、予習弾き語りを昨夜やったとはいえ今日のセトリの8割以上の曲のフルコーラスを覚えていたのは我ながら大したモンだったな。
あ、そうそう、これも定番の「終止符」とチンペイコーナーでの「それぞれの秋」ソロバージョンもしっとりと聴かせてくれたわ。
今回はアリスコンサート恒例のキンちゃんコーナーだけでなく、それぞれのメンバーにもコーナーがあり、しっかり時間を割いていた。さすがに齢70を迎えた彼らもよく考えている。演奏なしの3人のコーラスタイムなども適宜織り交ぜ、所々で上手く一服タイムを確保していたようだ。ま、それも止むなし。
そして新曲「限りなき挑戦」から「エスピオナージ」「狂った果実」までロック調で続き、「帰らざる日々」でムードを変えていよいよド定番「遠くで汽笛を聞きながら」でフィナーレ‼️
当然これで終わるわけはない。
アンコールは「チャンピオン」に「さらば青春の時」でいよいよフィニッシュ‼️ そして3人退場。
待て待て待て〜‼️ 肝心のあの曲がまだだろ〜‼️
というファンの思いもあって再度のアンコール。ここで彼らのパターンをよく知らずに帰りかけた俄かファン達も慌てて足を止めていた。
最後の曲は「明日への讃歌」‼️
そーだ、これだろ〜、これしかないだろ〜‼️
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というワケで大満足のコンサートが幕を閉じた。今まではテレビかDVDが一番の特等席だからわざわざコンサートに出向かなくても十分だとうそぶいていたが、今日改めてライブの臨場感とアーティストとの一体感こそコンサートの醍醐味なんだと再認識した。帰宅して日付変更線を超えた今も興奮冷めやらず。
思えば45年前の10代に知ったアリスを還暦過ぎになって初めて生で観られたのは何かの縁だと言えるのかもしれない。若い頃はコンサートに行く機会もなかなか得られなかったし、あの頃の彼らの歌をこの歳になって聴き直しみて感じる事もある。
年月を経ても第一線の現役で活躍しているアーティストは声の衰えを感じさせない。そしてその歌声は誰にも似ていない独自の武器。そして類稀なる才能から紡がれる歌は広い層に支持され長く歌われ名曲と呼ばれる。
吉田拓郎、南こうせつ、さだまさし、松山千春、桑田佳祐、小田和正、矢沢永吉… しかり。
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そういえば先日、こんな事があった。
勤務先の店で一日中流れている有線は「最新ヒット」らしきチャンネルで、そのどれもが誰のどんな歌かは私には皆目分からない。それが何度も何度も流れて嫌でも耳タコとなり、やがて曲名とアーティストの名前がどこからか知らされるという繰り返しだった。米津玄師すらそうだった。
ところがある朝、そのチャンネルから聞き覚えのある声が流れて来た。
いやまさか、若いアーティストばかりのこのチャンネルに取り上げられるはずはない。しかもこれは初めて聞く曲だ。でも何度耳を凝らしても彼の声としか思えない。
そして確信した。
これは紛れもなく谷村新司の声で、恐らく今度のツアーのためのアリスの新曲に違いないと。嬉しい驚きで店のスタッフに言ったものの、当然誰もピンと来ないどころかまるで知らなかった。嗚呼ジェネレーションギャップ極まれり。
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今回はひょんな事から早目にネットに申し込んでまあまあの席をゲット出来た。アリス後期の曲から聴き始めたカミさんもコンサートには満足したようで、良いチケットだったと感謝された。
アーティストの楽曲はCDやDVDという記憶媒体に記録されてはいるが、やはりアーティストとファンは人と人の繋がりなのだ。それが実感できるのがコンサートなんだ、と。
そして青春時代を共に過ごしたアーティスト達が現役バリバリのうちにコンサートに行っておこうと決めたのだった。あの日の気持ちに帰るために。
帰れるんだ、これで、帰れるんだ〜‼️
ライラ・ライラ・ライラライ・・・
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