なおみの夢!
しかも決勝の相手はメジャー24勝目を懸けた女王セリーナ・ウイリアムス。彼女の自滅もあったものの、ストレートで破っての堂々たる制覇だった。
松岡修造も錦織圭もいまだなし得なかった偉業に心から拍手を送りたい。
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だが、世間はそうではない輩がいるようだ。
昨日の凱旋会見の席上、濵田理央という朝日新聞系記者がこんな質問をし、彼女は戸惑いながらも答えた。
記者「海外で、大坂さんの活躍や存在というのが、古い日本人像を見直したり、考え直すきっかけになっているという報道があります。ご自身のアイデンティティというのをどのように受け止めているか?」
大坂「(不思議そうに)その報道はテニスに関してですか?」
記者「日本人との間に生まれた人が日本人という古い価値観があるが?」
大坂「(戸惑いながら)それは質問ですか?」
会場からは失笑が漏れた。
大坂「私は自分のアイデンティティに関して特に深く考える事はなく、私は私である、という風にしか思っていない」
この後、さらに質問を続けようとした記者に司会者が「もう結構」と断じたのはGJだった。
恐らくこの記者は、彼女の生育環境や容姿が一般的な日本人像とは異なる事を、いかにも世論が抱いた印象を代表するかのつもりで質したのだろう。しかも持って回った彎曲した言い方で直接差別的発言とは取られないような抽象的な表現で。
さしずめ彼女から「これまで自分のアイデンティティについては色々考えさせられて来ました。そんな私を日本人として受け入れてくれた事に感謝します」とでも引き出したかったのだろう。
哀れなほど下衆な輩である。
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多民族国家であるアメリカやフランスを例に取るまでもなく、もはや単民族なんていう集合体は意味を成さない。もちろんこの日本でも。
古くは大相撲の大鵬、プロ野球の鉄人衣笠、太田幸司、サッカーの闘莉王、F1の鈴木亜久里などなど。
近いところでもプロ野球ダルビッシュ有、陸上室伏広治、ケンブリッジ飛鳥、柔道ベイカー茉秋、バスケ八村塁など枚挙にいとまがない。
同じ女子テニスでも宮城ナナがいた。だが、彼ら彼女らが会見やインタビューでこれほど不躾に質問された事はないだろう。もう一度言う、胸糞悪い下衆の極みである。
個人のフィジカルが結果に少なからず影響を与える個人競技ほど、欧米人よりも体型的に小型なこれまでの日本人が不利だった事は否めない。だが、社会的にも生物学的にも国籍とDNAが日本人ルーツである限り、どこをどう取ろうがその人は「日本人」であり、逆にそれを否定出来る要素はどこにもないのである。
ならば純粋な〇〇人なんて現在の世界を見渡しても何処にいるというのか。敢えているとすれば、世間とは一切隔離されたごく少数の民族だけだろう。
混同してはならないが、だからと言って日本は移民国家ではないという事である。移民を受け入れ、日本国籍を付与すれば日本人誕生という話は、それとは全く別の問題であると断っておく。あくまでそのアイデンティティはDNAにあるのだ。
いずれにせよ、大坂なおみは讃えられるべき偉業達成者である。また、同時にTwitterなどで俎上に上がる車イステニスでメジャーどころか年間グランドスラムを5度も達成している国枝慎吾も讃えられるべき偉業達成者である。その違いはあくまで競技の種類が区別されているだけで、プレイヤーが比較されるものではないのは言うまでもない。
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