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冬の華たち

2月9日から始まった平昌オリンピックが25日に閉幕した。今回日本勢が獲得したメダルは金4、銀5、銅4の計13個で、1998年長野大会の10個を超えて最多となった。

印象的だったのはこの13個のメダルのうち、実に8個が女子だったという事。女子選手の基礎的な力が上がったとも言えるが、一方で欧米の選手と比べてフィジカル勝負ではない種目で日本人選手の高度なテクニックが活かせた結果とも言えるだろう。

男子種目はタイムや距離を競う種目などではまだまだフィジカル勝負の面が大きいが、女子種目においてはその差をテクニックでカバーできる余地が少なからずあったのは興味深い発見だった。

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スピードスケートの高木姉妹は凄かった。妹の高木美帆は2010年のバンクーバー大会に中学生として最年少代表で出場したものの惨敗。次のソチ大会では代表落選、代わって姉の高木菜那が出場したがやはり惨敗。

そんな悔しい経験を乗り越えて今回姉妹揃って代表となって、何と何と美帆は金銀銅メダルの個人コンプリート達成、菜那はダブル金メダルの快挙を成し遂げた!

彼女らが帰宅したら凄い光景が待っている。彼女らは両親にメダルを掛けてあげたいと言っていたが、それどころの騒ぎじゃない。3個の金メダル、さらに銀と銅もある。とても両親だけじゃ掛けきれない嬉しい悲鳴が聞こえて来るようじゃないか! 頑張って良かった良かった。

圧巻だったのが高木姉妹を中心としたパシュートだ。空気抵抗を最小限に抑えた選手間の距離を詰めたあの素晴らしく綺麗な隊列が、個人技に秀でた外国人チームを打ち破り、最大のライバルだったオランダチームをも2秒近い大差で破り、堂々の金メダルを獲得した。個人のパワーでは敵わなくても、チームワークでそれを凌駕する姿は日本人らしくて気持ち良いじゃないの!

すでに世界中に報道されているように、今後はこの日本チームのテクニックが世界標準として世界中のチームの目標にされるだろう。

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期待されて期待通りに結果を出したのが男子フィギュアの羽生結弦と宇野昌磨。さすがだわ!

羽生はオリンピック2連覇という王者に相応しい貫禄の成果を挙げた。だが試合後に、痛めた足はまだまだ完治していなかった事を告白。それを乗り越えての素晴らしい演技にさらに感動を覚えたのは私だけではないだろう。

メダルには届かなかったものの、フィギュア女子の宮原知子、坂本花織も素晴らしい演技を見せてくれた。特に宮原はフリーでノーミスと言っていいくらい鮮やかな出来だった。表彰台までもう一歩だそ!

それにしてもロシアの15歳ザキトワのまるで精密機械、女王メドベージェワの貫禄の演技には圧倒された。この演技を見せられたら金と銀は当然だと納得するしかないわな。

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先駆者でありキャプテンでもありながらリザーブとして裏方に徹した本橋麻里率いるチーム「ロコ・ソラーレ北見(LS北見)」は、初メダルとなる銅メダルを獲得した。しかも予選で一度は敗れたベテランスキップのミュアヘッド率いるイギリスチームを破っての偉業だった。この勝利に本橋の貢献は相当な大きさだったに違いない。

4-3で迎えたラストエンド。最後の最後にミュアヘッドの一投が僅かにズレたため日本のNo.1ストーンが残り、1点のスチールとなったのだった。もしも弾き出されていたらイギリスが2点を取って銅メダルはイギリスとなったという際どい勝負だった。

予選リーグの結果から予選敗退もあった中で、アメリカの敗戦によって辛うじて予選突破した運の強さもあった。カーリング自体が選手の調子や氷の状況に左右される「運」の要素が少なくない競技だけに、運を味方につける事も勝利には必要だ。苦しい戦いの最中でも彼女らは笑みを絶やさなかったのが印象的だったが、最後の最後に勝負の女神も微笑んだ。

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ジャンプ女子の高梨沙羅もメダル獲得。ひと時W杯優勝を独り占めしていた彼女だったが、ライバルであるノルウェーのルンビやドイツのアルトハウスの技術的進化により、直前まで振るわなかった。本番でも彼女らの進化はホンモノだったと思わせる結果に高梨はその次の順位に留まった銅メダルだったが、何よりまだ彼女は若い。次がある!

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500m女子で悲願の金メダルを獲得した小平奈緒。それまで良い結果が出ず、単身オランダへ行って大胆なフォーム改造に挑み、それを見事に会得してオリンピックレコードで優勝という絵に描いたようなストーリー。ライバルで親友でもある韓国のイ・サンファの肩を抱き、泣きじゃくる彼女の健闘を讃えた姿は全世界の感動を呼んだ。

そこには開幕前から有象無象が跋扈するくだらないオリンピックの政治利用の思惑なんざをものの見事にぶっ飛ばした光景があった。

記録として日本選手のメダル獲得を記しておく。

【金】
500m女子:小平奈緒(オリンピックレコード)
フィギュア男子:羽生結弦(オリンピック2連覇)
パシュート女子:高木菜那、高木美帆、佐藤綾乃、菊池彩花(オリンピックレコード)
マススタート女子:高木菜那(初代女王)

【銀】
1000m女子:小平奈緒
1500m女子:高木美帆
フィギュア男子:宇野昌磨
ノルディック複合男子:渡部暁斗
スノーボードハーフパイプ男子:平野歩夢(2大会連続)

【銅】
ジャンプ女子:高梨沙羅
モーグル男子:原 大智
1000m女子:高木美帆
カーリング女子:本橋麻里、藤澤五月、吉田夕梨花、吉田知那美、鈴木夕湖(初メダル)

Congratulations ‼︎
お疲れさまでした〜 ‼︎

そしてパラリンピックも頑張れ〜!





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Chaie<チャイ>

Author:Chaie<チャイ>
最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコースティックギターやウクレレを弾いて70年代フォークを弾き語ったりするのが大好きです。遂に40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2などの弦楽器に囲まれる生活となって幸せです(^^)

もうひとつの大好きはコンパクト欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経て2010年から「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

そしてさらに10年経って取り巻く環境も変化し、4枚ドアとペーパー息子のために安全装置付きのクルマの必要性が。偶然出会った「MAZDA3 FB 20S Burg-S PMG with SIG-S」を2020年から愛車に迎えました。

現役時代は某企業でプロフェッショナルな社内研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、2nd Stageは頼れる薬局のOYAJIを目指したいとDgSで張り切ってます。

2013年から膀胱がんサバイバーを継続してます。無病息災よりも一病息災くらいがちょうど良いのかもしれません。

とか言ってたら、2020年に肝がん発生。予防接種からのHBV感染〜暴飲暴食からの脂肪肝〜部分的な肝硬変と来ていたので特に驚きませんでした。最期は肝臓だなと覚悟も決めてたし(^^;)

幸いこれも早期で表層だったため、切除手術を経て無事に終わりました。これで「ダブルがんサバイバー」の誕生です(^^)

愛と情熱を持ってはっきりモノが言える「熱きガンコジジイ」になりたい!

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