談志まつり
よく分からぬままにネットで検索、21日夜の部に空席がありチケットを取ったものの、やはり人気イベントで二階席の最後部から数列前という、寄席での演者からよりもはるかに遠い距離となった。オペラグラスでもなければ演者の細かい表情が窺えないが、音響は問題なく声はハッキリクッキリ聞こえるからまあいいか。
会場のよみうりホールは、10年前の12月に「落語の神様が降りてきて演らせてくれた噺だったかもしれない」と談志本人に言わしめた、伝説の「芝浜」が演じられた場所だから、彼を偲ぶにはこれ以上の場所はないだろう。時も場所もドンピシャで、否が応でも期待は膨らむってなモンである。
ワクワクドキドキ!
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さて今夜の出演者は、落語では立川小談志、志遊、雲水、談春、談之助、そして一番弟子の土橋亭里う馬。ゲストにコミカルソングのテツandトモ。仲入り後に一門の口上挨拶もある。
それぞれの持ち時間は15分〜20分なのでたっぷりというわけではないが、それでもそれぞれの演者の個性が出ていて楽しめた。
中でも図抜けた話術に感嘆させられたのはやっぱり談春。演目は「白井権八」の一部だったが、目の前にその情景がクッキリと見えた。声色はともかく、その語り口のテンポの良さはそっくり談志譲りで、2008年の談志との親子会(DVDで鑑賞)から確実に進化したように感じた。さすがである。
さらに驚かされたのはテツandトモだった。私は好きな芸風だったが、近年、テレビ出演から遠ざかっていたのでてっきり「なんでかな〜」の一発屋で終わってしまったのかと勘ぐっていたのだが、これが大間違い!
ギターを抱えた青ジャージのトモが、まるで生き写しかとも思える談志のモノマネを披露すれば、赤ジャージのテツは舌足らずまでソックリな安倍首相を演じ、そのキャラのままで談志のエピソードを交えながらコントを演じていく。談志が作った詞に曲をつけて歌ったり。これがまた上手い。その芸域の広さとレベルの高さに文字通り刮目させられた。そして確信した。彼らはテレビから排除されたのではなく、進化のために自ら遠ざかったのだと。
落語のマクラやネタに談志のトンデモエピソードやワイドショーコメンテーターとなった志らくを茶化したり、テレビじゃ言えない事も語ってしまうOFF-TVの面白さも堪能した。期待通りのいい時間を過ごさせてもらった。
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談志が亡くなったのが2011年11月21日で今年七回忌、私の父親が亡くなったのが2012年2月9日。年が開け、私の還暦の誕生日に少し早めの七回忌法要が予定されている。お気に入りだった落語家の回忌興行をたまたま知って観に行こうと決めた事といい、これも何かの縁なのかもしれないな。
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