棚卸しと移転問題

今の仕事に就いて3度目の棚卸しが3日前に終わった。棚卸しは半年毎に実施され、同じように実施される棚替えと並ぶ、極めて面倒くさい仕事である。

棚卸し作業は、私の担当の医薬品エリアにある階段下のバックヤード(倉庫)にある在庫の整理とカウント作業から始まった。店舗に陳列してある商品は、閉店後から翌朝にかけて業者によるカウント作業があり、それまでに空箱陳列部分などをカウント除外とするようカードや紙を貼って明示させておけば良いが、バックヤードのカウントは社員スタッフが業者カウントまでに終わらせる必要があるため、前々日あたりから作業を開始する。

今回はその前に実施された秋冬用の風邪薬を中心とした棚替えによって返品対象となった大量の水虫薬や虫刺され薬がプラスチック製の折り畳みコンテナ(折りコン)で4箱以上もあり、同時に送り込まれたそれ以上の商品が商品が従来からの在庫に加わっていた。結局、折りコン20箱以上の商品を一つ一つカウントしながらハンディ端末に打ち込んで行く事になった。もちろんその間、通常の販売活動や品出し作業も行ないながら。だから極めて肉体労働の日々となる。

この時、一番頭に来るのは本部からの大量の送り込み商品である。何も棚卸し直前に送り込まなくても良さそうなモンだろが! いますぐ必要なワケじゃないのだから、せめて送り込みを一週ずらしたってバチは当たるまい。それだけでどれほど作業が楽になるか。だが誰も現場が視野に入っていない。

二番目に頭に来るのは棚替えによって生じた返品商品である。ここでカウントしても、どうせ翌月初に再度返品入力作業を行わなくてはならないから二度手間も甚だしい。せめて棚替えか棚卸しのどちらかをひと月ずらしたってバチは当たるまい。それだけでどれほど作業が楽になるか。だが誰も現場が視野に入っていない。

・・・・・・・

小池都知事によって移転延期となった築地市場の豊洲移転問題も連日マスコミに取り上げられている。

問題の根幹は、元東京ガスの跡地だっただけにその土壌に含まれる有害物質の除去である。これを専門委員会を立ち上げて土壌の入れ替えと盛り土という手で解決する事になったものの、いざ建物が出来てみると地下に謎の空間が広がっていて、そこに水が溜まっていた。

いったい誰が、いつ、盛り土を止めて地下空間に変更させたのかが調査されたものの、案の定、その特定は出来ないようである。歴代知事も市場長も責任者は皆その詳細を把握しておらず、知事に至っては契約書にメクラ判を押していたに過ぎなかった。無責任も甚だしいが、下部組織間の横のつながりも不十分だったため、情報の共有も出来ていなかったという。まさに組織ガバナンスの欠落が招いた問題だったが、では盛り土をせずに済んだ事で浮いた工費で潤ったのは誰だ? という利権の闇も浮かんで来る。

そういった政治的な問題はあるにせよ、既に数千億円を投じてほぼ完成に至った豊洲市場をこれからどうするのか?

今日のニュースによれば、200ヶ所以上から採取された地下水のサンプルから環境基準値を超えるベンゼンやヒ素が3つのサンプルから検出されたと報じられた。今まで検出された有害物質は全て基準以下だったが、ここへ来てついに基準値以上のものが出たとマスコミも大騒ぎし、移転凍結やら築地市場改築やらの議論もかまびすしい。

だがちょっと待ってほしい。

地下水を飲料水にするというなら環境基準値は重要だが、豊洲市場でそんな事はしない。地下水は建物の地下5mに溜まっているのだから、それが階上の市場部分に影響を及ぼさないように対策すれば良い話である。ヒ素などが含まれた地下水をさらにコンクリートなどで隔離する事とベンゼンなどの揮発性物質を換気除去すれば良いのである。

有害物質の存在を食の大問題かのように言う向きがいるが、築地市場であっても地下水と食品が直接接触するような事は考えられないし、豊洲市場にしてもそれは同様だろう。そもそも東京都区内の地下水が飲料水としての基準が満たせているのなら上水道ではなく各家庭で井戸水を使えば良いが、それが望めないのは明白。つまり地下水の現状は豊洲に限った事ではなく、大なり小なりどこでもそうなのだ。

ならば築地の地下水はどうなんだ? そこは誰も指摘しない。

平屋仕立てで開放的な築地市場は、恒常的に排気ガスなどによるベンゼンなどの揮発性有害物質に晒されている。またネズミの大群やゴキブリの巣窟でもあるという。これだって環境衛生上の大問題と言えるのだが、そこも誰も指摘しない。いや、かの橋下徹氏はそこを指摘し、移転の必要性と妥当性を訴えている。この点では私も大いに共感させられている。

移転を阻むもう一つの問題は、東京都による赤字補填のせいもあろうが、放漫経営によって借金を背負った少なからぬ業者が費用の捻出が出来ずに移転反対を叫んでいるという。おいおい。

もはやオリンピック道路建設や政治的な問題も重要だがさて置き、一刻も早くそれなりの識者に環境問題に終止符を打たせて豊洲移転を開始すべきである。このままいたずらに時間をかけていると、マイナスイメージによる風評が一人歩きしてしまい、どんな解決策が施されても国内外の信頼回復が得られないという最悪の状況に陥ってしまいかねない。それだけは絶対に避けなければならない。

揮発性有害物質に晒され続け、ネズミやゴキブリの行き交う築地市場の環境衛生の方が、私にとっては遥かに大問題だと思っているが。





関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

Number of Access
Since 25. Dec. 2001
Time Goes By ・・・
Day by Day ・・・
My Profile

Chaie<チャイ>

Author:Chaie<チャイ>
最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

某企業のプロフェッショナルな研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、ステージを替えて今後は頼れる薬局のOYAJIを目指したいと思います。

愛と情熱を持ってはっきりモノが言える「熱きガンコジジイ」になりたい!

Wise Remarks
Recent Comments
データ取得中...
Search
Translation
PDF Exchanger

Weather Forecast

-天気予報コム- -FC2-
Game Corner

おまけ Space Invaders
developed by 遊ぶブログ