魔の日の次は歓の日!
術後の経過、特に再発のチェックのために尿細胞診と共に定期的に行なうべき検査で、本来はBCG膀注療法終了後から開始される。概ね3ヶ月毎に5年間に渡ってチェックして行くとあるが、私の場合は2ndTUR-Btと急性尿閉の処置入院などとBCG療法の副作用である膀胱炎による膀胱痛が長引いたたため、尿細胞診のみで術後約1年のここまで延期されていたというワケである。
何せ去年の術前検査の時は、この病院は硬質ファイバーの内視鏡だったため、結構シンドい思いをした記憶があった。その時の私の悲痛な声のせいかどうかは知らないが、その後軟質ファイバーの内視鏡が採用された。だが、膀胱と尿道に痛みを抱えていた私は頑なにそれを拒んでいたのだった。
だがついにその日が来てしまった。
膀胱痛こそ消失したものの、排尿開始時の尿道痛はまだ残っている身に、軟質とはいえ内視鏡を突っ込まれるなんて想像しただけで震えが来る。だが一方で、経過良好を証明するチャンスでもある。やはりここは忍の一字だわ。
最後のBCG療法から半年間も悩まされた膀胱出口部の様を是非ともリアルに見たいと思い、主治医にその旨を告げた。T先生は「モニターを見ててもいいけど、何かあってもそのまま見えてしまうよ。私も、あっと言ってしまうかもしれないし」と半ば脅かすような事を言うが、こっちにも意地がある。後学のために一度くらい自身を長く悩ませた部位の現況をこの目に焼き付けてやりたいという気持ちが強かった。
「構いません。もしまたヒラヒラと再発していたら東尋坊へ行くだけですから」と本人は決して冗談ではないのだが、敢えて冗談ぽく返した。そしてゼリー注入。実はこれが一番尿道に抵抗を感じた。内視鏡自体はほとんど痛みすら感じさせずに膀胱へ入って行った。
そして映し出された膀胱内部の画像。
小さな臓器のはずなのにモニター越しにはかなり広い空間が広がっていた。全体的に白っぽい膀胱の内壁に細かな赤い血管が網の目のように走っていた。生物の器官って綺麗だなとつくづく思う。肝心の術部である出口部は、さすがに高度な炎症が長期間持続していたためかほんのりと赤く、だが表面は他の部位と同様に滑らかだった。ああ、コイツのおかげで私は半年間も膀胱の不随意収縮による痛みに悩ませ続けられたのか。ある意味感慨深かった。
検査終了時に少量の出血を見たが、これはまだ続いている尿道炎のためだろう。ナースのオバちゃんから女性用の生理ナプキンをもらってパンツに貼り付けて終了。
腫瘍再増殖が認められなかった事に気を良くした私は、検査後の外来診療時に、次回の内視鏡は半年後あたりでと言ってみたが「そんなのダメです。規定通り3ヶ月後です」と一刀両断された。あくまでも尿細胞診と併行してチェックしていかなくてはならないそうだ。憂鬱
ともあれ、これでまずは一安心。
・・・・・・・
開けて翌日。
クローザー中崎の150kmを超すボールが唸りを上げてバッター亀井に向かって行った。
6-4で迎えた9回裏の東京ドーム巨人戦。M1となった広島カープはこの試合に勝てば25年ぶりの優勝である。それもこの2位巨人に15ゲームという大差をつけてのブッチギリ優勝だ。
江川事件や桑田事件、他チームの四番引き抜きなど横車を押して来た金持ち球団と親会社を持たず市民のカンパで頑張って来た貧乏球団が最後に対戦したのも何かの因縁だろうか。それゆえ40年来のアンチ巨人&広島ファンの私にとっても大きな意味を持つ試合である。
亀井の打球はショートゴロ! ボールがファーストミットに収まってゲームセット!
緒方監督が胴上げで7たび宙を舞い、涙にくれる先発黒田も舞う。待ちに待った歓の日の到来だ。さぞや感慨無量の思いだろう。
Congratulations ‼︎
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