リオの悲喜こもごも

リオデジャネイロオリンピックが行われた5日から21日までの17日間、今まで最長の12時間という時差もあって、予想通り夜更かしの連チャンだった。だが、前回のロンドンオリンピック以上の金12個、銀8個、銅21個、計41個のメダル獲得と、日本は大きな成果を挙げた。この調子なら4年後の東京オリンピックに大きく期待が繋がったと言えるだろう。

その戦いの中で、観ていて思わず涙を誘われたシーンがあった。

一つ目は卓球女子団体の銅メダル獲得である。福原愛、石川佳純、伊藤美誠の日本チームは準決勝で敗れはしたが、相手はドイツと言いながらも、そのメンバーは何と帰化中国人ではないか! 初めて見てビックリしたが、これは卓球界ではよくあるようだ。中国が世界No1であるゆえ、代表に入れない選手は海外に流れ、そこで国籍を取得して代表となる道を選ぶというのである。だからこのドイツも3位決定戦で当たったシンガポールも当たり前のように中国人がメンバーにいる。これじゃまるでマラソンに出るためにカンボジア人となった猫ひろしと同じである。

こうなると、もはやその国の代表と言えるかどうかも怪しいが、3位決定戦で見事に勝利を収め、念願のメダルを獲得した。とりわけ個人戦一回戦負けの石川や団体の個人戦で勝てない福原の団体戦メダルへの思いは凄まじかった。監督を差し置いてまで指示を出したり激励したりしていた福原は、伊藤と組んだダブルスで勝利し、石川も安定した強さで勝利、トドメは15歳の伊藤の勝利でメダルを手繰り寄せた。ここまでのプレッシャーと責任の重さを考えたら、もはや泣き虫愛ちゃんとは呼べない。涙にくれる彼女を見ていてもらい泣きした人は数知れない。

二つ目はレスリング女子53kg級の吉田沙保里の五輪四連覇ならずだった。女子は初日から登坂、土性、そして先に五輪四連覇を達成した伊調馨の金メダル3連発で幸先の良いスタートを切ったものの、今年に入ってから敢えて実践を避けていた吉田は、その勝負勘の誤差とライバルに研究され尽くされたためか、決勝では自分のレスリングを封じ込められた感じだった。だが、どんなに強いチャンピオンでも敗れる日がいつかは来る。彼女の場合はそれがたまたまこの時だっただけである。

それなのにひたすら謝るばかりの彼女に、逆にそれだけ無責任に結果を期待してしまった我々の方が申し訳ないという思いに涙が溢れて来た。勝って当たり前とされた彼女のプレッシャーは計り知れなかっただろう。堂々と銀メダルを誇ってほしいと思う。貴女は十分頑張った。

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その他の「お見事!」な成果も記録しておく。

今から振り返ると、これが日本のメダルラッシュのキッカケとなったと言える水泳男子200m個人メドレーの萩野公介金メダルと瀬戸大也の銅メダルだった。女子も200m平泳ぎ金藤理絵の2位に1秒半以上の大差をつけた金メダル。日本選手がゴール直前でこれほど差をつけた場面をかつて見た事がなかったから気持ち良かった。

さらに圧巻は男子体操団体の執念の金メダルと個人総合の内村航平五輪二連覇の金メダル! どちらも前半出遅れたものの、最後に見事な逆転劇で勝った試合だった。「ひねり王子」白井健三は次の東京まで持ち越しとなった。

卓球も負けてはいない。女子に続いて男子も水谷準がシングルスで日本卓球界初の銅メダル獲得の死闘を演じた。団体は水谷、丹羽、吉村の日本チームがこれまた初の銀メダル! いやお見事〜!

史上初と言えば、鮮烈に瞼に焼き付いた陸上男子400mリレーの銀メダルだろ! 山県、飯塚、桐生、ケンブリッジは、日本ならではのバトンパスを磨きに磨いて、あのアメリカを実力で抑えての堂々2着だった。特に最終ランナーはあのボルトと並んでいたのだから、さぞやボルトも驚いた事だろう。前日に続くアジア新記録更新の37秒60という素晴らしいタイムだった。歴史の目撃者の一人となった事も嬉しいが、ボルト引退後の東京ではもしやもしやの期待も膨らむってモンである。

世界ランク1位というプレッシャーを強い気持ちで乗り越えて初の金メダルを獲得したバドミントン女子ダブルスの高橋&松友の「高松ペア」も凄かった。決勝第三ゲームで16-19と瀬戸際まで追い込まれたが、そこから5連続ポイントで大逆転! 見事な金メダルだった。ここまで来るともはや技術の差ではない。気持ちの強さの差が勝負を分けたに違いない。それが世界ランク1位という事なのだろう。

ロンドンで惨敗した柔道は、何と男子は大野将平とベイカー茉秋の金メダルを含む全7階級でメダル獲得〜! 女子も田知本遥の金メダルを含む5階級でメダル獲得だからお家芸復活と言っていい。ひたすら根性論の篠原監督のロンドンは惨敗、頭脳派の井上監督になったらこれ。監督が違えばこんなにも結果が違ってくるのだった。

シンクロもデュエットとチームの両方で銅メダル獲得。ここでも井村コーチの復帰がメダル復活のカギとなった。やはり指導者の良し悪しが結果に結びつく世界なのだろう。もちろん、選手達が彼女の地獄のトレーニングに耐え抜いたからこその勝利であり、喜びだった。それまで彼女が指導していた中国チームを超える事がこれから東京までの課題であろう。

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最後に、「こりゃ無理だわ!」を三つ。

男子サッカーの予選敗退。トラブルで会場入りが直前となったナイジェリアに5点取られて敗けたのが最大の失敗、コロンビアには辛くも引き分けは上出来で、ヨーロッパチャンピオンのスウェーデンに勝利したが追いつかず。最後のスウェーデン戦はGJと褒めてやりたいが、やはり実力不足だったか。

同じ事がバレーボール女子にも言えた。準々決勝で世界ランク1位のアメリカにストレート敗けを食らったが、そこまでの試合でサーブミス、レシーブミス連発ではむべなるかなである。女子サッカー共々、 敗因の大部分が長すぎた監督就任が災いしてしまったと私は見ている。

男女マラソンも惨敗だった。新進気鋭の選手が出て来ずベテラン頼りの布陣だったが、故障上がりの選手もいたりして、これでは世界のスピードとリオの暑さには到底勝てないだろう。日本人選手最高とはいえ14位に終わった福士のゴール後の軽口も勝ってこそ。ただ虚しいだけだった。

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全てが終わった閉会式。舛添要一前知事の後任となった小池百合子知事の着物姿は、帯の位置がちょいと上過ぎだった感じもしたが、日本らしさを表現できて上々だったと言えるだろう。降りしきる雨は、彼の悔し涙の雨だったのかもしれない。





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Chaie<チャイ>

Author:Chaie<チャイ>
最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

某企業のプロフェッショナルな研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、ステージを替えて今後は頼れる薬局のOYAJIを目指したいと思います。

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