思案しどころ

昔とは異なりTVもネットも充実しているせいか、入院している時も世間から隔絶されているという感じがあまりしない。とは言っても、チューブに繋がれてほとんどベッドに寝ていると自ずと行動範囲が制限されるため、ほどほど隔離されている感はある。

そのチューブも術後3日で点滴のラインが、(今回は大事をとって敢えて長めにしたが)6日後に尿カテが抜去されると精神的なものは別としても少なくとも身体的自由は得られる。それが昨日だった。特に術後最大の緊張イベントとなる尿カテ抜去は、前回にも増してほとんど痛みを感じないスムーズなものだったのは幸いだった。2年前のK病院の時のあの悶絶は何だったんだろうか?

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術翌日に一本の電話があった。

相手は元同僚で上司だった同年代のSさん。私と同じ時期に早期退職し業界の営業部隊派遣会社に転職した人で、今でも私の家の近所にいる。最後に地元で食事をして以来、実に7ヶ月ぶりだ。

入院手術直後と言うとびっくりしていたが、実は前社の子会社に当たるA社に販売移管した製品の研修トレーナーの依頼だった。その製品は前社で私が学術研修部門で担当し、それこそ発売前準備から専任営業部隊の研修に携わっていた思い入れの深い製品だった。だがその製品の真価が認められ使用されるには日本ではまだ時代が追いついておらず、売り上げは芳しくなくいつしか主要製品からも外れて行った。それから月日が流れ、時代が追いついてニーズが高まった頃には、皮肉な事に社内の各部門にその製品の担当者すらいなくなっていた。学術研修関係で私一人と言って良い状態だった。

その製品をA社に移管し、そこの営業部隊が販売すると言ってもおいそれとはいかないだろうし、もちろんキチンとした研修を行なえる人間は親会社にもいないだろう。私が退職する時は当然その懸念があって、このままではA社も含め大変な事になるのではと心配した。だが会社が私をいらないと言った限りは心配した事すら無用だったと割り切った。それが今、まさに現実となった形だ。今のままでは使用得意先に対してマトモな情報提供すら出来ないだろう。それはメーカーとしての義務違反ともなる。

そんな折、Sさんの転職先の上司がA社の要職に就いたらしい。そこで元の会社である営業部隊派遣会社のSさんに相談があり、Sさんの頭には当然の事ながら私が浮かんだというワケである。もちろんボランティアなどではなく、外部研修委託として正式に契約を結んで実施するというビジネスの話だった。

親会社には製品の全てを話せるトレーナーはいない。また、研修をやろうにもスライドの一つもない。何せ製作3年以降のスライドは再審査を受けなければ使ってはならず削除対象になるという社内規則があって、この製品の研修スライド(ほとんど私が作った)も該当したため、仰せの通り退職前にサーバーからバッサリ削除してやったから。爆

課題問題は少なくない。改めて研修を実施するのであれば、少なくともA社のニーズを踏まえた研修計画の作成、その後発売されたり適応拡大された競合品情報も含めた研修スライド(たぶん数百枚)のリバイスは必須である。その膨大な作業が今の仕事をしながら出来るのだろうか?

他ならぬSさんからのオファーだから前向きに考えたいとは思っている。

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尿カテの無痛抜去がなされた昨日、今度は元同僚で上司のHさんからメッセンジャーに「今から顔を出します」との連絡があり、わざわざ病室にお見舞いに来てくれた。Hさんもほぼ同時期に退職し同業他社へ転職していたので、これまた半年以上ぶりの再会だった。

早期退職したメンバーのその後の就職状況や私が知らなかったコアなプライベート情報などで盛り上がった。本人はウッカリ私なぞに喋った事を後悔していたようだが、もう聞いちゃったモンね~。

Sさんからのオファーについても相談した。これはキチンとしたビジネスの依頼なのだから、かつて実施した専任部隊に対するあのレベルの研修を行うのであれば、世間相場並み(彼曰く50~60万円/日!)の報酬を受けるべきだと。その代わり相手の求める研修目的を達成し、資料やスライド作成なども文献に基づいて作り込まなければならないと。

前社の子会社のよしみで半分ボランティア感覚もあって、まあアゴアシ程度でも貰えればいいやなんて思っていた私だったが、こりゃあ結構ハードル高そうだわ。そうなるとますます今の仕事の合間で出来るのかどうか疑わしくなる。実施は11月頃だそうだし。

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さて、抜去後から恐れていた排尿痛は今の所は無い。それでもあの痛みが出ない事を祈りつつ恐る恐る便器に向かうのだ。術創部痛もほとんど感じないが、これはいつでも寝転んでいられるこの環境ならではと思っている。この後の時間経過と共に、実際にそれなりの距離を歩いたり仕事をしている時にどうなるかは今回も未知数だ。願わくば前回は腫瘍を全て取り切れなかったがために出現した症状だったという事であって欲しい。

このままの経過なら明日退院し、明後日から現場復帰したいと思っている。それでも当初の予定から3日も遅延し店にも迷惑を掛け通しなのだが、これまでの症状経過からどうしても慎重になってしまうのだ。人は御身大事にと言うけれど、そうもいかないのが世の常だったりする。





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Chaie<チャイ>

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最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

某企業のプロフェッショナルな研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、ステージを替えて今後は頼れる薬局のOYAJIを目指したいと思います。

愛と情熱を持ってはっきりモノが言える「熱きガンコジジイ」になりたい!

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