敗北宣言

今年最後の全国研修ツアーは、最後の週に思わぬ事態が待っていた。最終週の今週は火曜の岡山会場、水曜の広島会場、そして木曜、金曜の福岡会場で千秋楽を迎える予定だった。

列島を大寒波が襲来した朝を広島で迎えた。前夜は何もなかったのに朝になったら一面の銀世界で、しっかり雪も降っている。会場へ行こうにもホテルからはタクシーが捕まらないので駅前のタクシー乗り場へ。当然そこは長蛇の列。風雪に晒されながら並ぶこと40分。ようやく会場へ移動できたが、どうやらこれがいけなかった。

研修が終わる頃から股間にツーン以上の痛みを感じ始めた。それは立っていても座っていても自覚出来るほどになった。新幹線で博多へ移動しホテルへ向かう道中もそれは悪化して来て、ガラガラを押しながらゆっくりと歩を進めるしかなかった。チェックイン直後にバスタブに浸かり温浴療法。痛みは楽になったが、バスから出ると症状は戻って来た。

翌朝、会場へは徒歩で到着したものの、今度はやたら尿意を催す。そのたびにトイレへ行くから当然尿量は少ないが、そこに血尿が認められた。排尿痛もキツい。ついに研修パートナーとの分担セッションの1つが終了したところで、泌尿器科専門営業部隊のメンバーSから紹介された天神にある泌尿器科クリニックへの受診を決め、ホテルへ戻る事になってしまった。

前立腺痛と尿道痛という自覚症状は確定的なので、触診と経腸エコーを受ける。経腸エコーは前立腺の様子を撮る超音波検査で、直腸に棒状の端子を入れて体の内側から前立腺を診る。過去には腹部側からのエコー検査を受けた事はあったが、これは初めて。また一つ研修ネタが増えたが、今はそれどころじゃない。

画像では前立腺の左側がより腫れていて、血尿を絞り出した尿検査で感染が判明した。紛れもなく細菌性の急性前立腺炎だ。前立腺への移行が良い抗菌薬をもらって終了。今後発熱の恐れもあるので明朝まで安静にという指示を受けホテルに篭った。

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あれほど辛かった痛みが抗菌薬一つでこんなにも楽になるものなのか。ベッドに寝たきり状態で過ごしているせいもあるが、痛みもあまり感じない。その代わりに下痢が来た。日頃悩まされている尿意切迫感による頻尿は鳴りを潜め、今度は便意切迫感による頻便に悩まされた。うっかりすると切迫性便失禁にもなりかねない。Drからは水分は摂るようにと言われていたのでペットボトルを買って飲んでいるが、それでもここまで直通で出るものかと思うほど次から次へと。

そして最終日、チェックアウトして前日とは別の研修会場へ。思えばここまで前々日の昼食以来一日半、ヨーグルトとワッフル以外口にしていない。どうにも食欲が湧かないのだが、当然体力も落ちているはずだ。体力のあるうちにと午前中の2セッションを担当したが、受講者にそれまでの顛末を披露しつつ千秋楽に相応しいテンションで終える事が出来た。でもそこまでだった。

股間のツーンとした痛みに排尿痛。下痢も未だ完治しておらず、体力も消耗している。やっと食べたうどんの昼食後、パートナーのI子に後を託して(帰京後に埋め合わせに食事をゴチする約束をして)、予定より早い便で帰京した。福岡空港までのタクシー、羽田空港までの飛行機、新宿までのリムジン、そして再びタクシーと乗り継ぐこと3時間半、羽田空港の混雑と都内の渋滞で時間がかかったものの、ようやく帰宅。入浴後、体重を測ったら案の定2kg以上痩せていた。どうせまたリバウンドするだろうが、これはちょっと嬉しい。

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局所的といえど持続する痛みはこんなにも人を弱くするものか。これがもし、全身を襲う痛みや麻痺に苛まれ続けるとしたら。私ならとっとと生きる気力を失ってしまう事だろう。難病で苦しむ人が生きる事を諦めない姿を目にする度に、それがいかにすごい覚悟なのか、レベルは全く違うものの今回の経験でさらにヒシヒシと感じられた。

理研のチームと小保方さん自身によるSTAP細胞の検証実験の結果報告会見があり、双方で実験期間を通じて一度もSTAP細胞が作製できなかったとの結論だった。STAP細胞発見と共に小保方リケ女がマスコミに華々しく取り上げられたのは今年の1月だったか。あれからあっという間の奈落。難病に苦しむ人への新たな希望の光はついに照らされる事はなかった。患者さん達はさぞ無念だったろう。

無い事を証明するのは有る事を証明するよりも難しいので、これを持って完全否定には至らない。至らないだろうが、それならば、ここに至るまでの論文投稿の顛末や小保方さんの成功話は何だったのだろうか。200回も成功したというコメントは何だったのか。彼女を管理していたはずの上司や支えてたはずの共同研究者は何だったのか。笹井氏にしても、STAP細胞が実在するならなぜ自殺する必要があったのか。

会見での理研側の訳の分からぬコメントや会見が終わったのに相沢顧問とやらが一人のたまった彼女を犯罪者扱いしたなどとの詫び口上は一体誰に向けたものなのか。監視カメラや立会人など、再実験のやり方を決めたのはそもそもアンタらだろが!

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いずれにせよ、本業である研修中にリタイアするという事態に至ったのは私の不徳の致すところだ。少なくともこの仕事で報酬を得ているプロの研修トレーナーとしては敗北以外の何物でもない。何よりも受講者に要らぬ心配と迷惑を掛けてしまったのだから。




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Chaie<チャイ>

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最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

某企業のプロフェッショナルな研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、ステージを替えて今後は頼れる薬局のOYAJIを目指したいと思います。

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