あこがれに手が届く

ある日、プジョー車関連のオーナーズサークル(POOB)の名古屋メンバーであるU氏がGibson J-45 True Vintageなる買い値で推定30万円クラスのアコースティックギターを手に入れ、OYAJIギター道を歩み始めたとFBで書いていた。

先日、U氏と同世代でBeatlesフリークの会社同僚N氏が、事もあろうに人間ドックの帰り道、渋谷の楽器店でMartin D-28なる、これまた推定30万円クラスのアコースティックギターを衝動買いしたと語っていた。

こういうギターは、私のような下手なフォークギター弾きであっても初めてギターを手にした頃からの「あこがれ」の存在そのものだ。サッカー小僧がadidasやpumaのスパイクにあこがれたり、車乗りの「いつかはクラウン」みたいなモンかな(?)。

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だが、いかんせん敷居も高いが値段も高い。バイオリンのStradivariほどではないにせよ、作りや材料の希少性も手伝って古い良品ほど高価になるという世界、それゆえ新しいものでも相当に高価だ。ちなみにヤフオクのアコースティックギターで私の見た最高値はHank Williamsから加藤和彦へ渡った戦前1941年製のMartin D-28で、お値段は何と1600万円也!! たかがアコギ1本で、である。

そんな途方もないシロモノは論外としても、100万、200万円程度は普通なのがヴィンテージギターの世界なのだ。そのもうひとつの理由として、年月を経て弾き込まれたギターは「鳴りが違う」のである。ある人はそれを枯れたサウンドと言い、またある人は熟成の音と表現したりする。これは若いギターではまず望めない。

ヴィンテージギターが高価なのは材料の希少性ももちろんだが、その「音」に対する値打ちなのだ。

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そんなあこがれを抱き続けて早や40年、その日は突然やって来た。

今までマトモな宝石の一つも持たなかったカミさんが、宝石商に勤めていたという職場の同僚の紹介で今後最も汎用性のあるパールを購入しようと決めた時だった。夕食の外食時にその話を聞いた私は、モノは試しとばかりにこう切り出した。

「ついにモノが決まって良かったね。ところでオレ、お酒を止めたら無駄なお金も減らなくなってね。ナンだカンだで20万円位貯まったんだわ。そこで、前からウジウジ言ってたギターなんだけど、そのあたりで買えるヤツを探してみようかと・・・」

「それなら買えばいいじゃない?」

チャンスというのはどこに転がっているか分からない。首尾よくカミさんの言質を得てあこがれゲットが現実味を帯びて来た。まずは通販サイトやヤフオクでかねてから目を付けていたブツと同じタイプのギターを楽器店へ行って直接弾いてやろうと思ったのは言うまでもない。こういう時は都会に住んでいると便利である。

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道は大きく2つ。個体のバラツキは大きいが、俄然目立つ見てくれや音の個性を重視して「男はGibson!」で行く道。候補はU氏にカブらないJ-185あたり。

フォーク派らしく繊細で優等生的な音のMartinを行く道。候補は漠然とあこがれていたHD-28あたり。それならばN氏のD-28とも少しばかり路線が異なる。

ここで通販サイトを覗くと、J-185 やL-200のArtist Signature Modelの新品やHD-28の2000年代の中古ややや小振りなMartin 000-28の中古などは20万円台後半あたり。一方、ヤフオクではD-28Mの中古が10万円台後半で出ていたが、これは相場からは断然安い(あくまでその段階の入札額だが)。安価なD-18やOM-21の中古などもいろいろと出品されていたが、いかんせん通販やヤフオクでは試奏が出来ないので音の良し悪しについては「賭け」になる。

で、とりあえず通販と共に楽器店でも売られているブツに狙いを定め、現物の音比べに渋谷のHや新大久保のKといった正規代理店へと足を運んでみたのである。

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見た目も派手なGibson J-185やL-200は確かに他人とは違うツラ構えが光り、かなり所有欲をそそられる。弾いてみたら予想通りのガツンとした歯切れの良い、男らしい音が飛び出て来た。いずれもここ1~2年に製作された若いギターだから音の熟成はこれからだろう。

次はMartin 000-28 Custom。スタンダード品とは材質が異なるせいか、それこそGibsonとは対照的とも言える女性的なメロウなサウンドが響いた。同じMartinでも大振りなD-28はドンシャリと呼ばれる迫力の音がギターの前面に飛び出して来る感じなのだが、こいつは一度ギターの中で鳴ってから外へ出て来るような印象だ。部屋弾きなら取り回しも良く、近所迷惑の心配もないだろう。音色で言えばこちらの方がより好みかもしれない。

そして結論。最終候補は楽器店にあったMartin 000-28 Custom(1999年製)とヤフオクに出ているMartin D-28M The Mamas and The Papas(2012年製)。どちらも(現段階では)値段がほぼ同じなので、まずヤフオクに一度だけ入札し、落札出来ればD-28Mで決まり。出来なかったら後日楽器店へ行き、そこにまだ000-28がいたらそれを購入する。どちらもダメだったらふりだしに戻る。

私には家や車やPCに次ぐ高価な買い物となるが、どちらのモデルも甲乙つけ難いので、ここはひとつ「縁」というものに託してみようと思った。「縁」あっての出会いだったのだから、今度はどれが私のもとへやって来る「縁」を持っているのかを問うてやろうと。

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出張先のホテルでスマホから入札。それまでの入札者は70人超、残り時間は約1時間半。オークションはこのあたりから活気付いて来る。が、なぜかその後は入札者が出て来ない。やがて1時間前、30分前、15分前とカウントダウンして行くが動きがない。

一度でも高値更新されたら引くつもりだったのだが、終了5分前になっても相変わらず。よくある終了直前の速攻入札もなく、遂にそのままターイムズ・アーップ! その瞬間、何と私が落札者となったのだった。「縁」はこいつが持っていたというワケである。

落札したD-28M The Mamas and The Papasはトップがカルパチアン・スプルース、サイド&バックがマダガスカル・ローズウッドという希少材で作られたCustom Artist Editionであるから、一定以上のクオリティは保障されている。新品同様との事なので、アメリカでは$5000近く、国内でも安くて40万円台後半の値が付いている。それをほぼ半額で購入出来たのだから、問題さえなければいい買い物だろうが、さて・・・?

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入金手続きも済み、先方から発送連絡も来た。後は到着を待つばかり。出張から帰宅するのが楽しみでしょうがないのはいつ以来の事だろう。





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COMMENT

No title

モーリスでスーパースターになったのはアリスでしたね。
16弦ギター? 12弦?
いずれにしてもカメラのレンズ沼ならぬギター沼へズブズブですな。

No title

昔は「モーリス持てばスーパースターも夢じゃない」なんて言われましたけどね。今私は16弦のアコースティックギター購入を検討しています。

No title

昭和のフォークソングでよろしければ。あ、歌付きですけど(爆

congratulations!

是非一曲生で聴きたいです🎵

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Chaie<チャイ>

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最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

某企業のプロフェッショナルな研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、ステージを替えて今後は頼れる薬局のOYAJIを目指したいと思います。

愛と情熱を持ってはっきりモノが言える「熱きガンコジジイ」になりたい!

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